あらら、政権与党にべったりの政治評論家の田崎史郎氏に「40点」という落第点をつけられた高市早苗氏。伊藤惇夫氏が「話が長い」「裏金問題議員の処分について後ろ向きだった」として「45点」というのにねえ。 「ひるおび史上、初めて伊藤さんより点数が低い」とも。
高市氏の会見、ぼくも見ました。あれは40点でも点をつけ過ぎだと思いましたが。
いくつかの点で検証してみましょう。
「日本をもう一度、世界のてっぺんに押し上げる」
《高市氏は冒頭発言で「国家の主権と名誉を守り抜くため、総合的な国力の強化が必要だ」と述べ、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力の6つの「力」を伸ばすと説明。国力強化には「何よりも経済成長が必要だ」として、「経済成長をあくまでも、どこまでも追い求める。日本をもう一度、世界のてっぺんに押し上げる」と》
世界のてっぺん?この認識がずれていると思います。
不平等、外国人差別、貧富の差の拡大、男女の差別の温存、政治支配層の後進性、民主主義への介入、報道の自由度の世界でも超のつく後退……これらは、全て、安倍政治に代表される者たちによって起きていること。
「アベノミクス」が、いまや破綻が明らかになっているのに、そのアベノミクスにこだわり、その道を追い求めるという発言。何だこれは。一層の困難の拡大になるよ、これでは。
冒頭発言から、ぼくは0点をつけます。
「何でも言い合える同盟関係に」
《―(在日米軍が航空管制を握り、民間機の通過を制限する)「横田空域」について、総理になればアメリカに注文をつける覚悟はあるか。
「どの国に対しても必要な注文はつける。日本の国益を守るために必要な注文であれば、しっかり堂々と訴えていく。日本は主権国家だ。日本独自でしっかりと国を守れる防衛力を身につけていくということが今後大事なことで、それをしっかりと成し遂げる。アメリカに対して言うべきことはしっかりと言う。何でも言い合えるのが同盟国だと考える」》
この高市氏は岩盤保守層に支えられていますが、この日本の岩盤保守層は、アメリカに対しては、全くの自主性のない人々です。これまでの歴史を見ても、対米従属がこの人々のなかに抜きがたく存します。安倍氏のあこがれたじいちゃんの岸信介という人がそうでした。様々な右翼だという人物も。
口先だけは威勢がいいけれど、米軍基地には配慮ばかり。事故や事件があっても日米地位協定によって、水戸黄門の印籠の様に、アメリカには、は、は~っとひれ伏すばかりの現実。沖縄の米軍基地にも思いやりの予算もつきます。高市氏の尊崇する安倍氏も、トランプにひれ伏してばかりだったから、実際はたかが知れています。内向けの支持層向けの一見威勢のいいリップサービスでしかありません。
点数、つけられません。
女性の権利拡大、ジェンダーの視点はまるでなし
《「(旧姓の通称使用拡大で)ほとんどの不便は解消される」》
自身は、「家族の一体感を守るためにも夫婦親子同姓を堅持すべき」としながら、結婚した役所に届けたお相手の「山本」の姓は使用せず、「高市」を都合よく使っています。(こういう自民党の女性議員は多くいます)
選択的夫婦別姓制度には否定的。何だろうねえ。「伝統的家族観」を大事にするというけれど、その伝統とは、明治以降につくられたものでしかなく、「同姓で一体感」というものも幻の家族観でしょう。同姓の強制が問題なのだから、それを選択制すればいいだけです。
家族、男性中心の考え。だから、高市氏は「女系天皇」にも強固に反対します。
時代錯誤の人物が間違って(!)日本のトップになったら、外国との差は一層拡大するでしょう。
とにかく故安倍氏のコピーでしかありません。亡霊復活なんて嫌です。
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総裁選のキャンペーン一色になる報道。こうやって、裏金まみれの人たちが裏にかすみ、後景でニンマリしてるだろうな。
田崎史郎氏の「高市氏の低評価」という理由は、ぼくの考えと全く違います。おそらくその考えの根底には、今後の氏の立ち回りにつながる思惑がるんでしょう。
本日のモーニングシューでも、スシロー氏があれこれ語っています。
「野田聖子氏が20人の推薦人が集まらず、出馬を断念し、勝ち馬の小泉進次郎氏に乗っかる」と自慢げに説明しています。あれあれ、自分もそうなんじゃないのかなあ。
玉ちゃん(玉川徹さん)がピシャリ。「自民党の問題の一番は、政治と金の問題でしょう。この候補者の誰も語っていない。企業団体献金をやめると言わなければ」――そうです。ここです。
あ~あ。ぼくらにはなんもできない総裁選。しかし、その結果は押し付けられます。ムナシイお話です。