昨日の『虎に翼』の展開が、またまた、テンポよくおもしろい。

穂高先生に物申した寅子のもとに、やってきた穂高先生。寅子はおどおどして向かい合いました。


寅子に声をかけた穂高先生。

指導者であった穂高先生が自分から謝るところが、この人物の謙虚さを示します。しかし、時代の制約の中で生きてきた法学者は、自分の限界を述べて、寅子にこう言います。


「すまなかったね。私は古い人間だ。理想を口にしながら、現実では、既存の考えから脱け出すことができなかった。だが、君は違う。既存の考えから飛ぴ出して、人々を救うことができる人間だ。心から誇りに思う。それを伝えたかった。」

寅子は「私は先生が古い人間だとは思いません。最高裁の尊属殺、先生の反対意見を読みました。昨日のことは撤回は致しませんが、先生の教え子であったことには、ほこりに思っています。」

穂高先生はにっこり受け止めます。

 

「あとは君たち若いものに託したよ。」

「私、てっきり怒られるものかとばかりと…」

「そんなことはせん。これ以上嫌われたくない。」

「先生、私、先生のことキライなわけじゃ…」

「ほっほっほ。分かっとるよ。それなりに好いていてくれていることは分かっているよ。」

「それなりにって…」
「よかった。最後に笑って、すっきり顔でお別れできそうで。」

そして、最後のことばをかけました。
「佐田君、気を抜くな。君もいつかは古くなる。常に自分を疑い続け、時代の先を歩み、…立派な、出がらしになってくれ給え。」

うんうんと頷いた寅子はきっぱりと返事をしました。

「はい」

(この後エイジという子の少年審判の場面が入ります。ここでも、エイジが心をひらくことばかけをします。この場面も短いけれど、沁みます。)

そして、場面は変わり、穂高先生の通夜の場面。教え子4人がしんみりと語りあいます。

ここで、とんでもない演出が。

 

いつも渋面の桂場が、餡子をアテにしてお酒を飲みます。明らかに飲みすぎです。

笑い乍ら、心配そうに見守る寅子たち。

「桂場さんの理想とは?」という問いに、酔った桂場が応えます。一層、仰々しさが強くなっています。

「決まっている。司法の独立を守ることだ。」
「そして、二度と権力好きのジジイどもに好き勝手にさせないこと。法の秩序で守られた平等な社会を守る。」

と言い切り、
「つまり穂高イズムだろう。
そうだろう、佐田くん!」

と問いかけました。

「最高裁判決における先生の反対意見、読んだだろう!」

 

最初の場面のやり取りが、こうやって回収されます。

「はい、理想のために虎視眈々です。」

「虎視眈々?ムハハハハハッ・・・」

急に高笑いを始めた桂場が、あろうことか、

(パリバリ)

皿をかじりました。驚く3人。

寅子、お通夜だということも忘れそうです。

(ちなみに、この皿は本物らしくつくった超カタいクッキーだったそうです。スタッフさんの涙の下準備でした。)

 

この場面の後、最高裁の尊属殺判決の際、多数意見に対しての穂高先生の少数意見が、本人の声で流されました。重厚な、落ち着いた声です。(小林薫さん、いいです。)

 

この度の判決は道徳の名の下に、国民が皆平等であることを、否定していると言わざるを得ない。

法で道徳を規定するなど許せば、憲法14条は壊れてしまう。道徳は道徳、法は法である。今の尊属殺の規定は明らかな憲法違反である。

(第十四条

 

  1. すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
  2. 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
  3. 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。)

 

 

穂高先生の声を聴きながら、いろんな思いが胸に浮かびました。

昨日のブログ記事で書いた山形県の「笑いの義務化」条例でも、「道徳は道徳、法は法である」という思いを強くしました。

私たちの普段の努力がないと、旧憲法下にような非民主的な事態がいまも起きます。

権力者の横暴を縛るーー憲法の基本を見失わないようにしよう。

 

   ラブラブイエローハーツラブラブグリーンハーツブルーハーツ

 

カタい内容になったので、少し笑いを。

昨日の記事の事などで、友人のス~さんとやり取り。

 

《ス~》「押し付けの笑いは笑いじゃないね。by元関西人」
 

《3・2》「毒のある笑い、泣き笑い、共感の笑い、北叟笑む笑い、照れ笑い・・・いろいろです。」

 

《ス~》「私は爽やかな笑いを目指しています。(笑)」

 

《3・2》「見た目で笑ってもらえる?!」

 

《ス~》「見た目は男前でしょう!(笑)😛」

 

《3・2》「う~ん?男前?Tシャツが後前じゃない?それで笑われるってやつ。」

 

《ス~》「ウケをねらってね。嘘。(笑)」

 

失礼しました。お後がよろしいようで。