まどさん、谷川さんは、どちらも「あいうえお」をあそぶ詩人。今回は谷川さんの「あいうえお」、50音であそぶ詩です。

 

「あいうえおうた」谷川俊太郎。絵本もあります。降矢ななさんの絵。福音館書店の本の紹介は次のようです。

<3匹のネコの大きなあくびと「あいうえおきろ おえういあさだ おおきなあくび あいうえお」、2匹のワニがせんべいを食べながらテレビを鑑賞「さしすせそっと そせすしさるが せんべいぬすむ さしすせそ」、ウシが泣いていると「なにぬねのうし のねぬになけば ねばねばよだれ なにぬねの」……いろんな動物が登場するリズミカルな詩の絵本。50音を巧みに織り込んだ詩とイメージ豊かなエッチングの絵が楽しめます。>

あいうえおうた (幼児絵本シリーズ)|中古絵本の販売|えほんポケット

ここは絵本を使って遊ぶのもいいでしょう。イメージをつくるのには使えるものは使おうね。(いつも柔軟に…)

 

楽天ブックス: あいうえおうた - 谷川俊太郎 - 9784834015898 : 本

    あいうえおうた

             谷川俊太郎

 

あいうえおきろ    

おえういあさだ  

おおきなあくび  

あいうえお


かきくけこがに

こけくきかめに 

けっとばされた 

かきくけこ 


さしすせそっと

そせすしさるが 

せんべいぬすむ 

さしすせそ

   
たちつてとかげ

とてつちたんぼ  

ちょろりとにげた 

たちつてと


なにぬねのうし

のねぬになけば 

ねばねばよだれ 

なにぬねの


はひふへほたる

ほへふひはるか

ひかるよやみに

はひふへほ


まみむめもりの

もめむみまむし

まいてるとぐろ

まみむめも


やいゆえよるの

よえゆいやまめ

ゆめみてねむる

やいゆえよ

 

らりるれろばが

ろれるりらっぱ

りきんでふけば

らりるれろ

 

わいうえおこぜ

おえういわらう

いたいぞとげが

わいうえお

 

 

谷川さん、ありがとう

『あいうえおうた』についてです。

声に出して読む(うたう)ことを狙って作られています。「あいうえお」ときたら、逆に「おえういあ」も遊びます。「かきくけこ」なら「こけくきか」です。

 

あいうえお○○(7音)   かききけこ○○

おえういあ○○(7音)   こけくきか○○

○○○○○○○(7音)   ○○○○○○○

あいうえお(5音)      かきくけこ

 

この構造が意識されてつくられていることがわかれば、読むのもラクになります。

 

谷川さんは詩を音声化することに強い関心を持つ人です。自らも読むパフォーマンスもします。声に出して読むおもしろさにふれさせたいときには、まず谷川さんです。

 

そこで『日本語のおけいこ』

ひらがな50音の学びが終わったところで、50音を使ったことばあそびをたくさん子どもたちに触れさせましょう。ソロと全体の掛け合いの様に楽しんでみましょう。

青いソロの部分は、パフォーマンスを工夫してみます。まずはセンセイ(ぼく)のやって見せるところから。

 

     日本語のおけいこ

        谷川俊太郎

ソロ あいうえお

   かきくけこ

   だれかがどこかでならってる

ソロ さしすせそ

   たちつてと

   だれかがどこかではなしてる

ソロ なにぬねの

   はひふへほ

   だれかがどこかでわすれてる

ソロ まみむめも

   やいゆえよ

   だれかがどこかでうたってる

ソロ らりるれろ

   わいうえを

   だれかがどこかで

    どこかでだれかがどなってる

    


(ポクポクポクポク…お経風に)

  いろはにほへと ちりぬるを

   わかよたれそ つねならむ

   うゐのおくやま けふこえて

   あさきゆめみし ゑひもせす

   ん

(チーン)
 

ソロ あかさたな 

   はまやらわ

   だれかがでどこかでわらってる

ソロ いきしちに

   ひみいりい

   だれかがどこかでないている

ソロ うくすつぬ

   ふむゆるう

   だれかがどこかでおこってる

ソロ えけせてね

   へめえれえ

   だれかがどこかでねむってる

ソロ おこそとの

   ほもよろを

   だれかがどこかで

    どこかでだれかがあきれてる

      

 

この詩を工夫して群読してみよう。例えばこんな風に。

 

・青色はソロ、赤色は全体で。全体は座っている。ソロの子は立って音読。

・音読する時は、「だれかがどこかでならってる」を先に読み、「あいうえお かき     

くけこ」は本を持って読んでいるようにパフォーマンスしながら音読するという方がいいかもしれません。全体で状況を明らかにした後、ソロが工夫してするとパフォーマンスしやすい。以下、同様に。

・「いろはうた」はお経風に木魚(ウッドブロックでもよい)で、ぽくぽくと叩きながら   音読。さいごにトライアングルでチーンと。

 

学習発表会などで、しばしば使いました。面白かったなあ。