二本松はじめさんは、レクリエーション活動のリーダー。ぼくが教育実践について迷っていた時に出会った「師匠」の一人。
学校の教員ではない人ですが、「あそび」と「人との関わり」の意味を、実際の活動で教えてもらいました。
ぼくは自分の将来について明確なビジョンもないまま、誘われるまま、大学卒業後に児童文学者協会事務局で3年余働きました。その中で結婚し、長女も生まれました。生活の見通しはなく、当然将来設計もあやふやだったため、「教師にでもなるか」とぼんやりとした決意をして、通信教育で免許を取りました。デモ・シカ教師でした。
埼玉県川口市で実際に教師になったときは、教職に必要な学習・知識・専門性は全く足りませんでした。
教員免許を通信でただとっただけなのだから、「先生」としては失格でした。
初任の日々を子どもたちに助けられながら仕事を始めました。しかし、数年間、教育実践の軸が定まらず、迷う日々。
教員になって、2年目、夏休みに「太陽のレク学校」という紹介記事を見ました。2泊3日のこの企画はソング・ダンス・ゲームをたくさん教える泊まりの「学校」でした。そこで教わること以外に、集う人たちと夜を徹して様々なことを語りあいました。ぼくにとっての「学校」でした。
そのレク学校のリーダーが二本松はじめさんでした。
これに参加して以降、「あそび」を子どもたちとの活動の軸に置こうと思うようになりました。それらを、学校の中で、地域の中でも実践しました。
二本松さんに感謝しているのは、あそびの大事さを実際に教えてくれ、それがぼくの関心のあったことばあそびに拡げるきっかけになったことです。
「ことばを文字にとじこめない」という実践のイメージの中には、全レクやつながりあそびから学んだことが生きています。
『やわらかな教育をもとめて』本を出版してすぐに、二本松さんから注文が来ました。「サンちゃん、10冊頼める?」と。
最初の印刷300冊がすぐになくなっていたので、増刷した分から知人に頼んで二本松さんに届けてもらいました。(お隣の市に住んでいます)
そのすぐ後、また10冊の注文が来ました。
さらに数日後またまた、10冊。これで計30冊。すごいなあ。
先週には、遂に4回目の注文。これで40冊を普及してもらいました。
我が家まで車に乗って取りに来てくれた二本松さんに渡すときに、「どうしてそんなに拡げられるんですか」と尋ねました。
答えはシンプル。「いい本だからだよ」と。
二本松さんは、全国の保育者、教員と一緒に「つながりあそびうた」を展開しています。コロナがあけたこの春から夏に向けて、講習会を準備しています。そのために文字通り、飛び回っています。そこで出会った人たちに、「やわらか本」を紹介してくれています。
それを読んだ人たちが、周りに拡げてくれているのでした。
この本には、ぼくが出会って来た子どもたちのことを書いています。子どもと向き合う仕事につく人たちにとって必要な事って何か、それについて悩みを抱える若い人たちへのアドバイスも。
いつの間にか「管理」にからめとられることへの危険を指摘しています。それらを「やわらか」ということばで問い直しています。そこに共感していただいているのかな。
900冊まで増刷した「やわらか本」ですが、現在、780冊を超えて普及できました。て(預けている分もいくらかありますが)
今は、読んだ人からの再注文(周りの人に読んでもらう)も来ています。
ムボーな増冊数だったかなと思ったけれど、「頂上」が見えました。キボ一です。
今週末は、北海道に行って「行商」してきます。寅サンニと源セイキチャンで。
3月29日から4月2日まで北海道です。懐かしみなさんと会えること楽しみ。新しい出会いも。