出来上がってきました「やわらか本」

 

日曜日は朝から三鷹の明星学園小学校で行われる「本質授業研究会」に向かいました。

「やわらか本」(と略しています、『やわらかな教育をもとめて』という自費出版本)を担いで、この場に参加した人の中にいる本を申し込んでくれた人に手渡すためです。

 

寅さんのように<トラサンニ>

なんだか寅さんみたいだなあ、そう思いました。

怪しげな本などを、正月や祭りの場で、啖呵売よろしく売ってたなあ、「男はつらいよ」の寅さん。源公を連れての怪しげな本を並べての口上。武蔵野線から中央線に乗り換えます。

 

「物の始まりが一、泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、博打打ちの始まりが熊坂の長範。

 

はじめばかりでは話にならない、続いた数字が二。
兄さん寄ってらっしゃいは吉原のカブ、仁吉が通る東海道、憎まれ小僧が世に憚る。
仁木の弾正はお芝居の上での憎まれ役。

 

おっと、三鷹駅で降りてしまいました。バス?久我山行、1番乗り場?慌てて乗りました。

何処で降りるんだ?

きっとここかな、と下りたら、道に迷ってしまいました。明星学園はあっちのはず。重い荷物を持ち(本の他にもパソコンや夏みかんマーマレードも数個)、ふらふら。ふうふう。開始時間を過ぎます。

「明星」、あった、と思ったら、それは明星学園の高校。小学校はここからは離れています。

 

行商はつらいよ……。寅さんの口上が頭に浮かびます。

 

続いた数字が三つ。
どう?曲がったこの本、ね?
三、三、六歩で引け目がない、産で死んだが三島のおせん。
おせんばかりがおなごじゃないよ。
京都は極楽寺坂の門前で、かの小野小町が三日三晩飲まず食わずに野垂れ死んだのが三十三。
とかく三という数字は、あやが悪い。

続いて負けちゃおう。
この黒い本。
色が黒いか黒いが色か、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たない。
色は黒いが味見ておくれ、味は大和の吊るし柿。
色が黒くて貰い手なけりゃ、山のカラスは後家ばかり。

 

ここかな。入り口はどこだ。ありゃ、ここは中学校だ。じゃあ、アノ建物が小学校だ。

やっと、会場になっている教室につきました。

思った以上に人が参加しています。見知った顔もちらほらと。

もうすでに午前の講座が始まっていました。荻野さんの「一読総合法」による『川とノリオ』の報告です。

若手の実践家、スゴイ。(ちなみに「一読総合法」というのは、文学教材の読み方の方法。通読からの読みを排している読み方です)

 

途中からなので、話を聴きながらも脳内には、口上がまだ巡っています。マズイなあ。

 

続いた数字が四つ。
四谷赤坂麹町、ちゃらちゃら流れる御茶ノ水、粋な姉ちゃん立ちしょんべん。
白く咲いたが”ゆり”の花、四角四面は豆腐屋の娘、色は白いが水臭い。
一度変われば二度変わる、三度変われば四度変わる。
ね?淀の川瀬の水車、誰(たれ)を待つやらクルクルと。

 

来月は、ぼくがみなさんの前に立って、本質研の101回目の例会で話をします。どきどきするなあ。そう思うと、また口上が。

 

続いた数字が五つ。
ごほん、ごほんと波さんが磯の浜辺で「ねぇあなた」。

 

昔武士の位を禄(ろく)<六>と言う。
かの後藤又兵衛が槍一本で六万石。
ロクでもない子供ができちゃいけないというので、教育修行の一環としてお父さん、買って頂きましょう、この絵本。
どうです?ね?真っ赤な表紙。
赤い赤いは何見て分る、赤いもの見て迷わぬものは、木仏金仏石仏。
千里旅する汽車でさえ、赤い旗見てちょっと止まると言うやつ。

七つ長野善光寺、八つ谷中の奥寺で手鍋さげてもわたしゃいとやせぬ。
あなた百までわしゃ九十九まで、共にシラミのたかるまで。」

 

とてもこう立て板に水のような啖呵は出やしない。九州男児のなれの果て。

何の役にも立ちゃしない。

来月の323(さんにさんの3月23日)にお話しするためには、これから「やわらか本」を少しは広げなくちゃアねえ。

午後からは、体育館に移動して、山内さんによる、元祖「猫ちゃん体操」の講座ですが、ぼくは次の打ち合わせのために明星小学校を後にしました。すみません。

 

     

 
帰りは迷わないように、吉祥寺駅に向かうことにしました。
井の頭公園には、たくさんの人、人。池にはボートが浮かび、楽しむ人たち。のんびりしたいけれどお腹もすいたしなあ。
 
     ピンク音符 ブルー音符 むらさき音符
 
新秋津駅まで戻ります。夕方から、ここのドトール喫茶で、「やわらか本」の企画・編集に関わった5人で、今後の販売・普及の戦略を練ります。
 
早めについたぼくは博多ラーメンの店に入りました。
麺の硬さの注文を聞かれました。

ぼくは、いつも「普通」を頼みます。
でも「やわらか本」を普及するのだから、「やわらか」にした方がいいのかな、などと考えました。
食べながら思ったのは、本のタイトル「やわらかい」などでなく「バリやわらかい」なんて方がインパクトがあったのかなあ、という妄想です。(バリとは九州博多弁で「すごく」という意味)

 

増刷300冊、決定!

このブログで「やわらか本」の販売告知をしたら、3日間で、印刷した300冊を超える数の予約注文をいただきました。ありがたいなあ。

知り合いの方やブログ読者の方からの思わぬ連絡が続き、5冊、10冊と普及してくださるとのメールをいただきました。

正直、そんな素早いたくさんの反応があるとは思ってもいなかったので、5人で今後のことを相談しました。

 

送本は、コツコツ送るとして、一番の問題は、1冊1000円(送料込みの原価)の代金の回収方法です。

決めたのは、以下のことです。

1.先に送本すること(スマートレター、ゆうパックなど)

2.お礼の手紙をいれて、入金・送金の方法を知らせること(郵貯の口座、銀行口座、その他送金)

3.請求書、領収証の必要な方には、個別に対応すること

4.各種の学習会などに持ち込み、口コミ販売すること

5.そのためにも、もう印刷部数を超えているので、300冊の増刷をすること

そのために、若き友人のkeisukeくんが「やわらか本」のチラシを作ってくれました。

 

申し訳ない思いでいっぱい。片手間にはできないことなのに編集作業、デザイン、印刷所との連絡・交渉など、全くお礼などできません。利益など含んでいませんからね。

自分事なので、増刷分の普及も注力しなければとフントー努力を誓うトラサンニです。

 

♪フントー努力の甲斐もなく、今日も涙の~

 今日も涙の日が暮れる~ 日が暮れる~

(「男はつらいよ」主題歌より)

 

マズイ、この歌は。

本日、「やわらか本」1冊を手渡すために、図書喫茶カンタカで会う人がいます。

こんなやり方じゃ、確かに日が暮れる、よね。

改めて、増刷につき、みなさんのご協力をおん願い奉り申しあげま~す。