やっと読み終わった。。。それが率直な感想です。
なんとも分厚い本で、ちょっとした英和辞典並のサイズ感です。

さて、中身ですが、生産管理の業務改善プロセスについて、小説形式でシミュレートした本です。それだけ聞けば、非常に退屈で地味なマネジメント本を想像することでしょうが、なんのなんの、その逆です。
一言で表せば「エキサイティング」。

もともと僕は工場とは縁の無い生活をしてきましたが、以前勤めていた会社の上司がインテルからの転職者だったこともあり、何にでも生産管理の手法を当てはめるクセを刷り込まれてしまいました。
実際、インターネット業のルーチンワークには生産管理の手法を応用できることが多々あり、決して筋違いではないと思っています。
そんなわけで、生産管理の本を見るとつい読んでしまうので、この本もそれと同じ感覚で購入しました。つまり、たいして期待してなかったのです。惰性で手にしたと言っても、言い過ぎではありません。
ところが、読んでみるとなんと興味深いことか。

主人公である工場長アレックスは、いきなり初手から工場閉鎖を前提とした通達を受けてしまいます。工場閉鎖の最終判断まで残された時間はたったの3ヶ月。その間に劇的に実績を改善しなくてはなりません。

いきなりのしんどい展開です。

ここから先は実際に読んでみるのが吉ですが、なにしろスピード感があるストーリー展開の中にあって、どのような観点から業務改善プロセスを行うべきなのかが示されており、娯楽性と実用性を兼ねそろえた良書です。

なお、主人公のアレックスは、「駆け出しマネージャー」シリーズ のアレックスとは関係無いようです。(著者もぜんぜん違うしね)

勢いに乗って続編である「ザ・ゴール2」も買いました。


(楽しいシミュレーション度:★★★★★)

エリヤフ ゴールドラット, 三本木 亮
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か