101人 を1冊に盛り込むのはムリ、23人 でもかなり厳しい、では、10人ならどうか。
そんな思いで読んだのがこの本。
そもそもはBS放送の番組 の書籍化だそうだが、BSは見たことが無いので当然そんな番組の存在自体存じ上げない。

さて、肝心の本の中身だが、今まさに旬の社長ばかりを集めた贅沢な一冊だ。
実際、テイクアンドギヴ・ニーズの野尻氏以外は、僕にとっても非常に興味のある人物ばかりだ。

もちろん、200ページそこそこの本で10人の社長を語り尽くせるわけがない。
しかしながら、エッセンスだけは感じ取れる内容に仕上がっていると思う。
101人や23人のときと何が違うのか。もちろん、1人に対する物理的な文字数の問題でもあろうが、それ以上に、底流にあるテーマに一貫性があるかどうかではないだろうか。
101人や23人は、「とりあえず起業家を並べておけば面白いだろう」という意図が見え隠れしているが、この本では「どうやって自社を勝ち組に導いたのか、そのベースになっているビジネスの考え方」というような一貫したテーマがあるように感じられた。

反面、101人や23人と同様に、1人1人に対するページ数が充分ではないため、エッセンスだけに終わってしまうのは止むを得ない。
あくまでこの本は、それぞれの社長の本を読む前の準備運動と考えればよいのではないだろうか。
よく知らない社長の本を、いきなり1冊購入するのはリスクもあることだし、この本のようにエッセンスに触れてから、共感できればその社長の本を読むというステップが有っても良いように思う。

というわけで、藤巻氏や折口氏の本は今度読んでみようかなと。

それにしても、いずれも劣らぬ大企業の社長さん方ばかりだが、仕事に対するモチベーションは高いものの、方法論はほんとにいろいろあるものだなぁ。

(購入しても愚者の選択にはならない度:★★★★☆)

BS朝日, 矢動丸プロジェクト
賢者の選択 その時、トップはどう動いたか