人間とは、同じ過ちを繰り返すものなのか。それとも、そんなのは自分だけなのか。

何が言いたいかというと、この本は「101人の起業物語彼らはなぜ成功したのか?」 と同じ、うわべだけを描いているということだ。

たしかにピックアップしている企業は、「101人の~」に比べマトモだろう。少なくとも、なんとか収益を上げて企業としての様態を成している企業ばかりだし。
ただ、これらの企業すべてが「勝ち組」なのかどうかは疑問だ。
たしかに、SNSで圧倒的なシェアを誇る「mixi」のイー・マーキュリーや、ソフトウェアで順調なソースネクストなどは「勝ち組」と言って良いかもしれないが、ネットオークション負け組のディー・エヌ・エーや、ビジネスモデルがぜんぜん成長しないチャンスイットなどは「勝ち組」というよりも「生き残り組」というのが正しいのではないだろうか。
少なくともディー・エヌ・エーやチャンスイットは、この本の帯にあるような「なぜあの会社だけが伸びるのか?」という疑問には値しないと思う。伸びてないし。

そして、他の起業本の例に漏れず、必勝法は全く分からず。

著者の森一矢氏は事件簿.net の運営者である。事件簿.netはそれなりに楽しく読ませてもらっているのだが、もしかしたら森氏は、あまり経営や経済の話が得意ではないのではないだろうか。


やっぱ、役に立つ情報は本じゃなくて自分の足で稼がなきゃダメなのかなぁ。。。


(必勝法なんて誰も教えてくれない度:★★★★★)

森 一矢, ギガワークス
IT起業必勝法―なぜあの会社だけが伸びるのか?