真夏のお見合いの日、私は爽やかな薄手素材のブルーのワンピースを着用しました。

そしてホテルのラウンジでお見合い開始。

早々に相手の男性の視線の位置がおかしいことに気づきました。


これまでも鼻や眉間の辺りを見て、お茶を濁す方はいらっしゃいました。

かろうじて顔のパーツに視線を送ってくれていれば気にしませんでした。

しかし今回は残念ながら、どう考えても会話中に何度も私の胸部や腰部に視線を感じるのです

その部分が特に汚れているわけでもなく。

私のささやかな胸部や寸胴な腰部を見ても何も楽しくないと思いますが。


もしかして下着が響いているのかもと思いましたが、男性と会う前に自宅や駅、ホテルの三か所で確認しておいたのでそれはありえません。

それにワンピースはゆったり目で、身体のシルエットがあからさまに浮かび上がるものでもありませんでした。

よりによってなぜそこに視線を送る?


「あの、私の服に何かついていますか」

何とも言えない、まとわりつく視線をやめてもらうために思い切って聞いてみました

「え?服ですか?何もないですよ。どうしてですか?」


どうしてもこうしてもねえよ。何もないなら見んなよ。

もしかして無意識なの?無意識に見てたの?


「いえ、先ほどから私の服を気にしておられるような気がしたので」

「大丈夫ですよ。問題ないです」


いや、あんたに問題なくても、こっちには問題あるんだが。

え、私の方が自意識過剰な奴になってる?


話題を変えつつ、もう一度男性の視線を確認してみました。

うん、やっぱりちらちら見てるな。

どう頑張っても私と目を合わせるよりも、胸部と腰部を見ている時間が長い気がするな。

わかった。

きっとこの男性には常人には見えない第三の目が見えているんだろう。

そうだ、そういうことにしておこう。


というわけで私の第三の目を見出し、8割方胸部と腰部に話しかける男性とはやっていけないということで、お断りしました。

相談所へのお断り理由には

「×さんは私の顔を見るのが嫌だったみたいで、主に胸部か腰部を見ておられました」

と送っておきました。

カウンセラーからは

「夏は意図せず下着が響いている可能性があるので、服装を見直すように」

とのお達しをいただきました。


お気に入りのワンピースで過去のお見合いにも着用したことがあり、今までは問題なかったのですが。

仕方がないですが、このワンピースは普段のお出かけ用に封印ですね。