三木句会ゆかりの仲間たちの会:神宮前小梅さんのエッセイ
71歳、いつになったら喋れるのか「台湾華語」
思い起こせばかれこれ4年近く、週に1回のペースで台湾華語「タイワンカゴ」を習っ
ている。台湾華語って何?と思われる方もいらっしゃるかもしれないので説明すると、
要するに「中国語の台湾弁」というような感じだろうか。 最初は2~3人で1クラスの
学校に通っていたけれど、例の流行病以降はFaceTimeで1対1の授業、そして先生(親子
ほど年の離れた女性)が2年前に台北に帰国されてからは、Skypeを使って教えて頂いて
いる。今、教科書として使っているのは英語の日常会話の本なのだけれど、英文の会話
を日本語ではなく台湾華語に置き換えるというやり方で、これがけっこう面白い。予習
しておかないと授業時間がもったいないので、ノートに英文とそれを訳した漢字を書い
ておくのだが、その漢字が少々厄介。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、中国語で使う漢字には繁体字と簡体字が
あって、香港と台湾は繁体字なので面倒なのだ。簡体字も元の漢字が何だか分からない
ほど簡略化されていたりして、それはそれで面倒。最初は、老眼というハンデを抱え
ながらも、あえて繁体字の道を行く私って、やるじゃんね、という謎な気概?もあった
のだけれど、今はテキトー。自分としては繁体字と簡体字と日本漢字を紐付けておき
たいので、時々これで良いのか、と反省はする。
さらに、中国語には日本語にない発音がいろいろあって、四声(シセイ)という音の
高低みたいな違いとか、有気音と無気音があり、それが違うと全然異なる意味になっ
てしまうのだ。例えば「牡蠣」と「柿」の違い、と言ったら良いだろうか。
そもそも中国語は発音ができたら半分できたも同じ、という説もある(ような気がする)
ので、発音練習はしっかりやった方が良いようだ。でも、私は「努力」ということがで
きない。そういうわけで、4年近く習っていても趣味の域を出ない。もっとガツガツ
お勉強しないと寿命が尽きてしまうではないか、と思うのだけれど、上品(?)な性格
が災いしてしまうのか、至ってのんびりとやっている。だいたい授業でもただテキスト
だけやっているわけではなくて、方々に脱線するので、1時間の授業がだんだん延びて、
最近では1時間半くらいになってしまっている。雑談の中で「ムカつく」とか「ハニー
トラップ」の台湾華語を教えて頂くので気分転換になる。ボケ防止と思い、これからも
続けてゆきたいと思っている。 神宮前小梅
photo: k. jingumae
直掛念窗戶空隙守寒夜 吳 昭新
(気にかかる窓の隙間や夜寒かな)