三木句会ゆかりの仲間たちの会 ー 令和五年 桜を追いかけて | sanmokukukai2020のブログ

sanmokukukai2020のブログ

ブログの説明を入力します。

   令和五年 桜を追いかけて

                                                         神宮前小梅

 

    流行病(ハヤリヤマイ)で外国旅行ができなくなってから、秋田方面の旅にハマっていま

   す。羽田空港から秋田空港に飛んで、後は鉄道で界隈を巡るということを、年に2~3回、

   4~5泊、相方との2人旅です。国内外どこに行っても観光よりも食べることが主なので、

   今回のように「桜を追う」なんてことは去年に続き2回目の試みでありました。去年は東京

   の桜が終わって「じゃあちょっと行ってみるか」と行ったその日が満開で、千秋公園の桜

   がそりゃあ見事で、空も青く大満足でした。それに味をしめて、今年も追いかけてみたわ

   けですが、今回は東京と同じく、秋田界隈もかなり早く、秋田市はもう終わりに近い状態、

   それで角館と弘前にも行ってみた、という次第です。

 

            秋田市内には馴染みの飲食店が既に数軒あって、夕食は旅に出る前から5泊のうち4日分

   は予約していました。どこも繁盛店なので予約必須なのです。今回のように桜盛りが終わ

   っていたとて、さほど残念でもないのは食事の楽しみがあってこそ。その日も予約時間に

   間に合うようにタラタラ歩いていると、人も車も通っていない道で赤信号になってしまい

   ました。当然前後左右確認後赤信号でも渡ります。が、なんと後ろにパトカーが居たらし

   く「そこの歩行者の方~、信号守ってくださ~い」とあのマイク越しの大きな音声で注意

   されてしまいました。恥ずかしい。音声が秋田弁じゃないのがつまらないと思いつつ、

   振り返って「すみませーん」と会釈して歩いていたら、な、な、なんと、パトカーが追い

   かけてきて「そこの歩行者の方~、ちょっと止まって下さい~」と我らに停止を指示して

   きました。仕方なく立ち止まると、パトカーのお巡りさんが溢れる任務全う感を漂わせて

   降りてきて、またしても「信号は守って下さい!」と厳重注意。いやはや、これには婆さ

   ん(ワタクシ=古希)参りましたですよ。車も人も居ないじゃないの、とは言わず(思って

   るけど)、「すいませんねえ、老先短いものですからつい渡りたくなっちゃうんですよ~」

   と弁明。「渡りたくなる」には深い意味(三途の川を渡る)も込めたのですが、それがお

   巡りさんに伝わったのか「え、あっ、いや」とエラく恐縮なさるので、思わず「俳句とか

   やってらっしゃるんですか?」と聞いてみたくなったりも致しました。(聞きませんけど

   ね)。しかし、人も車も通らない歩道の信号を守れ、と言われるのは私的には苦痛でござ

   いました。その後、予約していたお鮨屋さんでこの一件を話した(訴えた)ら、「ああ、

   秋田の人はみんな真面目なんですよ」と。秋田の人が皆真面目だ、というのは何歩か譲っ

   て納得しようとは思いましたが、じゃあ、このワタクシは真面目じゃないの?!とも思い、

   しかしそこで「ではこのワタクシが不真面目とでも?」と疑問を投げかけたら、またひど

   く恐縮されて終わるかも、、、なのでグッと堪えて雲丹追加。

 

 

               

                                                                                   photo: k. jingumae

 

    さて、角館は「武家屋敷通り」の枝垂桜が豪勢で有名ですが、やはり盛りは過ぎて

   いました。でも秋田市内よりはかなりマシで、遅咲きの桜もほどほどにあったのでまあ

   まあの景観でした。盛りを過ぎた桜の名所でも外国人観光客(東洋系は団体客が多く、

   西洋系は家族単位とか2人連れが多かったような、、、)がどっちゃりで少々驚きでした。

   我々とて2人連れの観光客なんですが、とにかく観光客だらけでしかも皆さんけっこう疲

   れている。桜の見頃はいつか、なんて毎年ハッキリは分からないのですから、旅行会社は

   大変ですよね。角館の桜祭のポスターには「桜の開花期は4月下旬から5月上旬」などと書

   いてありましたが、我々が行ったのは4月17日から22日迄でしたから、例年の開花時期よ

   りだいぶ前だったと思います。徒然草の「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」

   のくだりを思い出しながらの名残の桜も、なかなかオツでした。「武家屋敷通り」から

   桧内川の方に行ってみると、川堤の桜並木はまだまだ見応えがあって、更に水仙の花が

   満開だったのが印象深いことでした。水仙より桜の方が早いとは、、、まあ、毎年違うの

   かもしれませんが、、、。

 

    そんなこんなで、角館から秋田に戻った翌日、当初の予定では「できれば」の範疇だっ

   た「五能線に乗る」をやってみることになりました。旅に出て観光のために早起きして

   移動するなんて滅多にない我々ですが、以前から五能線には乗ってみたいと思っていたの

   で頑張ってみました。全部五能線だと1日では終わらないらしいので、秋田から早朝(と

   言っても8時頃出発)新幹線で弘前に行き、そこで乗り換えて五能線でゆっくり秋田に戻

   る、というコースです。せっかく弘前に寄るので、ついでに弘前公園の桜も見てきました。

   弘前の桜もやはり盛りは過ぎていて、国内外の観光客がどっちゃりでした。でも遅咲きの

   桜がちょうど満開だったり、これから咲きそうなのもあって写真はけっこう撮れました。

   咲き急ぎ散り急ぐばかりが花の人生、、、ってこともないよねえ、と思いながら弘前公園

   のお堀の花筏の美しさに感嘆。

 

    さてこの旅の大イベント「五能線に乗るをやってみる」はけっこう面白かったです。

   お昼は弘前市内で軽く食べ、駅の売店で青森の地酒2合ほどとツマミを買って、ついに五能

   線の列車に乗り込みました。相変わらず車内も東洋系観光客多し。我らは海岸線が見えて

   きてからチビチビ飲み鉄開始です。お天気は晴れのはずでしたが、黄砂で太陽が霞んで

   いました。海岸線を夕日を眺めながらトコトコと電車に揺られて一杯やる、という目論見

   は少し外れましたが、「黄砂」は季語ですからありがたく霞んだ夕陽を鑑賞。ただ「霾」

   (ツチフル)の字と言葉が脳みそから出て来ず、しばらくして「ツチフル」は思い出せました

   が字は駄目でした。そんなこんなで五能線の呑み鉄満喫。秋にまたやってみようと思います。

    春の秋田では「蕨のたたき」が楽しみです。比内地鶏の料理はいつでもありますが、蕨

   は春のものですから。茹でた蕨と山椒の葉を合わせて叩いた簡単な郷土料理ですが、蕨と

   山椒の葉の割合とか塩味の加減が絶妙の秋田名物(?)。蕨はよくあるのに、このタタキ

   は一昨年初めて食べてハマりました。自分でも作れるかも、とは思うのですが、作っても

   らうのが一番。秋田から東京に帰る日は、慣例になっている秋田市民市場で野菜や筋子な

   ど秋田産の美味しそうな物を色々買って帰宅しました。

 

            主役の座つかめぬままの水仙花   神宮前小梅  

    

 

               

                                                    photo: k. jingumae