編集後記
今月掲載の有馬英子さんの20句、色々な感情を呼び起こしてくれます。ふふふ……と楽
しくなる1句、こころの深みからすくい取った言葉がいかにも何気なく配されている1句。
ちょっと悪戯っぽい斜めからの視線の句。ただ日常の1場面を切り取っただけではない、俳
句との本気の格闘の跡をこれっぽっちも見せることなくさらりと記しているという、英子
さんならではの句たち。夜長に味わってみたいと思います。英子さんは作句についてある
時、”頭が痛くなるほど考える”とおっしゃったことがあって、大いに感じ入ったものでし
た。真摯に俳句を生きがいとしていらしたことがわかります。早いもので、英子さんが亡
くなられて来月には1周忌が巡ってきます。
世界も日本も、もうヒッチャカメッチャカの混乱ぶり。私たちはきっと東西冷戦という
均衡の中で、日本が繁栄に向かっていた1時代を謳歌した年代というべきなのかもしれま
せん。以前から始まっていた気候変動も、貧富の格差も、人種差別も、次第に熾烈な方向
へ進んでいるようです。パンドラの箱の蓋が開いて、望ましくないものが飛び出してきた
かのよう。希望は本当に残っているのか?!何とかしなければ……。
(遊子・報)
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