加藤光樹の俳句 加藤光樹句集 『句集 風韻』より 年用意父祖の生活(たつき)を偲びつつ 人生の染みひとつ増ゆ古暦 いつからか読み手となりぬ歌留多取り 双六や一所一徹なる半生 梅白し銀婚の夜は匂い濃く 雑炊や手の憶えいし椀の疵 四半世紀という一言や寒昴(かんすばる) 星朧濡れて瞬くはずもなや 鴉一羽冠にして一冬木 人葬りし胸の奥処の虎落笛(もがりぶえ) photo: y. asuka てのひらに富士をのせたる秋の暮 原 裕