放課後 | sanmokukukai2020のブログ

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    放課後

 

    山崎哲男さんからエッセイをいただきました。哲男さんは、三木句会の古いメン

   バーのお一人です。激務でいらっしゃるのに、お休みされたことは私の記憶では、

   これまで一度もありません。これからも、時事句など独自の視点からの作句で、長

   くご一緒してくださることと思います。

 

 

     俳句と私       

                                  山﨑哲男

 

    三木句会には、佐々木 実さん(退会済み)のご紹介で入会しました。現在、日

   比谷見附法律事務所で弁護士をしています。

    俳句については、人間関係、特に人情の機微を題材にしたいと思うのですが、日

   常生活の中で起こっている人間ドラマに焦点が当てられず、苦労しています。

    法律は、条文があって、条文に定められた要件に、人間の行動を当てはめて法律

   効果を導くという操作をして、紛争を解決しようとします。従って、条文に書いて

   ないものは、紛争解決のルート(裁判等)には原則として乗らないことになります。

   但し、英米法では、条文に書かれていなくても、衡平法(エクィティー)によって

   紛争を裁判上解決する場面があります。

    人間の行動は、複雑怪奇なものですから、全てを法律で解決することはできませ

   ん。ただ、法律がないと人間社会が円滑に動かないので、社会秩序を維持するには

   法律が必要です。

    ところで、俳句は、法律の規制外の人間の自由な精神生活の場としてあるもので

   す。とはいえ、字数、季語などの規制があり、その枠内で自由に表現できるもので

   す。自由に表現できるからこそ、同じ現象を詠んでも個性が発揮でき、文学性が認

   められるのでしょう。

    三木句会の皆様の俳句を拝読して、分からない言葉が出てくると辞書で確認して、

   こんな言葉があるんだと、得をした気持ちになっているこの頃です。

 

 

 

                                                                                        photo: y. asuka

                                                   魂も乳房も秋は腕の中        宇多喜代子