有馬英子その生い立ちと俳句 | sanmokukukai2020のブログ

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   有馬英子その生い立ちと俳句

 

   第13章

 

    大喧嘩することもなく、6畳1間に2人で暮らしを続けていたいという気がしま

   したが、Mやんはどう思っていたかは判りません。が、どうしても軋みが出てきま

   す。私はひとりで静かに(痛い)いたいのです。Mやんはそれを見ているだけ。どち

   らも、ひとりっこ、です。ひとりっこは我が儘なんで、我が儘を言えたら苦労はな

   いです。そう、察してほしいのです、Mやんより私の方が厄介だったと思います。

    そして私に首の痛み、脳性麻痺という障害には生まれつきの障害とは別の障害が

   出てきたのです。五味先生に診察を受けると、「早かったな、これからが長いよ。

   まず温めなさい」 。 先生の短い言葉に押されながら、大変長い道のりを感じていま

   した。

    拠点を東京に置き、授業をなるべく絞って、東京の家で静養しなさいという両親

   の提案も、1人でやってみたいと意地を張り通しました。

    Mやんは出ていくことに‥‥。喧嘩別れではないのですが、1人になると心が伸

   び伸びしました。Mやんも同じだと思います。彼もいたので、すっきりしたかも。

    そしてまだまだ難関が。

   卒業するためには卒論を書かねばなりません。原稿用紙50枚に字を埋めましょう。

   「社会福祉の中の障害者」でした。卒論担当の先生からは広すぎますねの一言。

   自分でもそう思いながら、なんとか原稿用紙を埋める努力をしておりました。首の

   痛みとも闘いながら!

                               <9月号につづく>

 

 

                                                                                        photo: y. asuka

                                                 鉛筆の回し上手が卒業す   有馬英子