加藤光樹の俳句 加藤光樹の俳句 『句集 風韻』より 生まれくる鼓動に弛む春氷 掌に置けば風の重さや落椿 ものの芽の息づく音や風生るる 男児のみで紙雛を折る妻なりし 揚がれどもあがれど雲雀宙の底 若葉眩し翁歩みしみちのくの ただの石積みてケルンとなりにけり 紅薔薇や夜も冷めえぬもの持てり かわせみの横切りて巌を動かしぬ 青梅を打ちし記憶に染まりたり photo: y. asuka みちのくの星入り氷柱われに呉れよ 鷹羽狩行