2021・2
メンバーからの投稿を中心に、「放課後」コーナーを設けることになりました。み
なさまの投稿をお待ちしております。
お寄せいただいた1月の句の中からの鑑賞をご紹介します。
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私の特選俳句(2021/1ブログから)は「寒卵かすかに震う未来かな」小泉水玉さ
んの作品です。私にとって寒卵は馴染みのない季語でした。寒い時の卵。何だろう?
寒卵がかすかに震えるってどんな様子?歳時記で寒卵を調べました。寒の卵は栄養
価が高く保存がきき、また昔は今と違い貴重な食べ物であったとありました。
私は床に臥す人にとって新鮮な寒卵は快復への希望になったのだろうと想像しま
した。コロナ禍の今、小鉢に割り入れた卵のかすかな震えに生命と未来への希望を
感じました
佐藤花子
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日を置いて読み直してみると、今の気持ちに合った句もまた見つかることがあり、
作りっぱなし、選びっぱなしの私には良い時間となりました。
そこで新たな選句です。
寒三日月箱入り娘だったらし 三徳
ちょっと人を寄せ付けないような雰囲気のある三日月ですが、それを箱入り娘と
詠まれたところに惹かれます。確かに、距離はあるし手を出せぬ鋭利な感じ、わが
ままな娘であったのでしょうか? そのうちふっくらとして、大地を照らす母にな
るのです。
次の句は、選句の時に立ち止まった句です。
さらになお灰汁を掬いて節料理 素
さらに、なお、と重ねられました。煮物の灰汁とりは1度では済みませんから度々
のことをそう表現されたのだと思いました。お節ですから念の入りようが違うので
しょうが、その丁寧さを表す別の表現があるとしたらなんでしょうか?
結果、素さんの作品。素さんのお宅のお節料理が想像できました。キャッ、見習わ
ないと♪
樹 水流
photo: ©️Loro Piana
山羊が来て苦労をともにすると云う 藤後左右