わたしの好きな俳人の五句 | sanmokukukai2020のブログ

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   わたしの好きな俳人の五句

 

   今回は、穂高さん、三徳さん、花子さんが5句をお寄せくださいました。

   穂高さんが選ばれたのは女流俳人・八染藍子、三徳さんは『白』の創始者・有冨光

   英、花子さんは池田澄子から選ばれました。

 

   八染藍子(やそめ あいこ)     選んだひと 幸野穂高(こうの ほだか)

 

   酒気のなき炉端見下ろす遺影かな

   笹鳴の間あひ初音の間合かな

   囀を抱いて奏づる樹となりぬ

   しゃぼん玉宙に消ゆるを天寿とす

   短冊の天の二藍筆はじめ

 

   八染藍子はわたしの友人の奥様で、昭和9年6月4日広島県生まれ。小学5年生

   のとき被曝。画家の道を志すも俳句に出会い”水を得た魚”の感を得てその道に。鷹

   羽狩行の「狩」を経て、父・杉山赤富士主宰の結社「廻廊」の4代目を継承。句集

   『ふたあゐ』より。

 

   有冨光英(ありとみ こうえい)   選んだひと 國分三徳(こくぶ さんとく)

 

   霧のたましひふかぶかと杉檜

   足音のべったら市にそろひたる

   生きている限り八月十五日

   面影橋まで追ひかけみんな木枯

   霧が湧くぞと羅漢五百の大音声

 

   白俳句会三木句会の流れを遡っていくと、源流は有冨光英先生につながります。

   「霧」がお好きだったようです。その影響でしょうか、英子さんも霧の句をお好き

   です。私は句会の賞として「霧のたましひ、、、」の短冊を光英先生から頂戴しま

   した。昭和20年8月15日、20歳の光英先生は軍人としてその瞬間をどう受け

   止められたのか。生きている限りという言葉は、体験者でなければ、多分理解しき

   れないのではないでしょうか。

 

   池田澄子(いけだ すみこ)     選んだひと 佐藤花子(さとう はなこ)

 

   日々彼を思うとはかぎらねど涼し

   では叉と振る手儚し色なき風

   諾に◯して嬉しい夜の鰯雲

   箸にかからぬ骨の欠片よ秋深む

   生き了るときに春ならこの口紅

 

   書店の棚にあった角川俳句2月号に掲載されていた作品です。何気なく手に取り

   開いた1ページ目に特別作品50句としてありました。池田澄子さんが誰とも知ら

   ずに、ただ言葉に惹かれ買い求めました。その中で特に好きな5句です。

 

   次回5月は、秀隆さん、瞬泡さん、朗子さんにお願いいたします。

 

 

 

                                             Boy’s Festival on Okinawa Ⓒ David West