三松スマートファクトリーへの道vol.12~カイゼンカメラ | 板金屋見聞録 ~ 田名部 徹朗 オフィシャルブログ

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日本製造業の明日を信じてがんばっている皆さんへ、九州の小さな工場で日々おこる出来事を通してエールを送るブログ。

三松スマート・ファクトリーへの道~第12弾は、

今年2月に設置し一部運用が始まった

「カイゼンカメラ」です。

 

三松の統合生産管理システムSINSのデータをもとに行う

生産性分析や

不良時の原因追究・分析は、

「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように」の観点から言うと

最後の2つ「なぜ、どのように」については

最後は各作業者の記憶をもとにしかなされていません。

 

決して適当に行っている訳ではありませんが、

原因の掘り下げを行っていくうえで、

最後は人間の記憶しか頼るものがないと

場合により真の原因にたどりつけないことになりかねず

永年の心配事のひとつでした。

 

そこで、各工程での作業記録を月間1万に及ぶ製造番号ごどに

映像で管理することにより、記憶でなく記録による原因追究や作業分析

常時行える体制を築くことを思い立ち、

この2月に実績のある映像管理システムに我々三松のSINS生産管理システムを

連携させてカイゼンカメラシステムとして導入いたしました。

 

このシステムに更に各作業者がもつVOL11でご紹介した携帯端末による撮影動画も

追加で記録できるようにしましたので、自身のより詳細な作業状況も

製造番号からすぐに呼び出すことができるようになりました。

 
 これによって、たとえば不良をだした場合にどのように作業をしていたかが
記憶でなく記録として振返ることができ、より正確な原因分析が行えます。
ということは、より正確で的確な対策を立てることができるようになるという訳です。
 また、作業者のスキル向上の軌跡を時系列で参照したり、
熟練者と非熟練者との同時視聴により、
どのようにして作業を行っているかが比較分析でき、
生産性や品質の改善や教育に利用することも可能となります。
 
将来的には、これらの画像データをAI画像解析によって、
今は人が行っている様々な情報入力を自動で行えるようにするなど
わくわくするような応用をいろいろと考えています。
 
↑本社工場・夜須工場で計47か所に設置されたカイゼンカメラ
 

↑曲げ工程の作業動画記録

 

一部ご覧になったお客様におかれましては、

何か監視しているみたいだとおっしゃる方もいます。

確かに三松においても一昔前でしたら現場作業者からは

あっさりと拒絶されていたと思います。

 しかし、ここ数年のドライブレコーダーの普及や

社内で行っているビデオによる作業分析、

教育マニュアル動画化活動の普及のお蔭もあり、

「撮られ慣れ」していたことで、今回割と抵抗感なく導入できたと思っています。

 

「案ずるより産むが易し」と言うと怒られますが、

いかに安全安心で働きやすい職場を作り、お客様に安心してお任せいただける会社と

なるべく、これからも様々な試みにチャレンジしてまいります。

今後とも三松をよろしくお願いいたします。