しばらく経つもC卓に僕の客は座れない。

C卓は幹部達の客ばかりだ。

諦めた、いや考え方を変えよう。


ある晩に今日こそ幹部達にひと泡吹かせてやる、と意気込む。

僕の作戦は、C卓よりもD卓を華やかにしてしまう事だ。

そして店内が暗くなりチークタイム。

D卓の皆に別メニューのボトル、フルーツを勧めた。

当時の安いボトルは3000

数組が買ってくれたが、それだけでは弱い。

ボトルの横にクラッシュアイスを入れたグラスに誕生日用の花火を立てて差し込む。

フルーツにはドライアイス。

クラッカーで周囲にアピール。

そして、ご法度である黒服が客席に座るを実行。

ひたすら席を回り隣に座り、注いであげ盛り上げる。

そして雰囲気は一気にD卓内で変わった。

追加注文の嵐だ。

中には数万円のボトルを入れる強者も多数いた。

黒服が横に座った。たったそれだけでD卓の空気が変わったのだ。

皆目立ちたいのに、今まで我慢し、そのストレスが一気に爆発したかのように僕には見えた。


チークタイムが中盤の頃には殆どが、ボトルやフルーツを入れD卓だけ花火が激しく光る。

お祭りの様な雰囲気からか、DJブースからも熱い視線が感じ取れた。


今日はC卓に座れなかったD卓の女性達が主役だ、ざまーみろC卓。

C卓の女性は冷めた目でこちらを見ていた。


客席に座る、と言うご法度を無視した僕には、きっとキツい躾が待っている。

お立ち台でD卓の彼女達と盛り上がりながら、内心は。


点呼前に逃げ出したい。