不眠症の治療に抑肝散を併用することで、ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の使用抑制につながることが、第71回日本東洋医学会で報告されました。
 

 抑肝散の適応は、神経過敏で興奮しやすい、怒りやすい、いらいらする、眠れないなどの精神神経症状を訴えるケースとなります。
 

 抑肝散は睡眠中の覚醒反応を減少させ、睡眠を安定させることが示されました。また、抑肝散投与後はだるさ、頭重感、緊張感、疲労感、平穏感のいずれも有意に改善していました(各P<0.05)。さらに、抑肝散群では夢に関するもの、寝言・異常行動に関するもののいずれも、有意な改善が認められました(順にP=0.003、P=0.008)。夢・悪夢を見る頻度(P=0.026)、闘う夢を見る頻度(P=0.017)、ベッドからの転落(P=0.01)、睡眠の中断(P=0.016)も、抑肝散群でいずれも有意な改善が認められました。