慢性浮腫の有病率は一般的には1000人中4人程度ですが、65歳以上になると1000人中およそ12人、85歳以上になると約29人と7倍近くに増加します。
 

 高齢者の慢性浮腫にはさまざまな原因があり、身体的側面としては、心不全、静脈疾患、動かないこと(不動)、肥満、浮腫が副作用として起こる薬の服用などがあります。また精神的な側面としては、うつが挙げられ、加齢に伴って、うつの罹患率が高くなるとする報告もあります。
 

 リンパ浮腫の治療には、弾性着衣や多層包帯法などの圧迫療法、リンパドレナージ、運動療法があり、またリンパ液の流れをつくるリンパ管細静脈吻合術などの外科治療も推奨されています。いずれにしても、予防や早期発見が大切です。