便や尿を分析するシステムを備え、排泄物から健康状態を追跡する「スマート・トイレ」の実用化が近づいていることが、「Nature Biomedical Engineering」誌に掲載されました。

 

 開発中のスマート・トイレには、小型カメラとモーションセンサー、尿検査試験紙が備えられ、尿の成分や尿流量率、便の形状や硬さを分析します。分析データは医師に送信され、使用者の健康状態を把握することができます。尿流量率からは男性の前立腺の健康状態が、便の形状や硬さからは過敏性腸症候群(IBS)などの腸疾患の有無が分かります。さらに、尿検査データからは感染症や膀胱がん、腎不全、糖尿病などの兆候を調べることができます。

 

 このスマート・トイレには、トイレの使用者を正確に特定する手段がいくつか用意されており、備え付けの小型カメラで肛門をスキャンし、そのしわの形で個人を識別することもできます。