緊急避妊薬は、女性が性交後72時間以内に1錠服用すると排卵が抑制されます。日本では2011年に承認(販売名「ノルレボ」)。服用で1回の性交による妊娠率は0・7%(健康な男女の妊娠率は通常、20代で20~25%)。副作用はまれで身体に影響がなく、服用後に妊娠が判明しても胎児に影響がありません。服用後の性交には妊娠のリスクがあります。

 

 性交から服用まで時間が空くほど有効性が落ちるため極力早く服用する必要がありますが、日本では医師の処方箋がないと買えません。望まぬ性交渉があれば直ちに服用しなければならなりませんが、婦人科が休診だったり病院が遠かったりして入手が困難な場合も想定されます。1錠約1万円。近年、処方箋不要の一般市販薬への転用を求める要望が高まっています。

 

 なお、毎日服用する低用量ピルもほぼ確実に避妊できますが、処方箋が必要で1カ月分3000円前後。こちらも、情報不足などで利用者は伸び悩んでいます。