高齢化に伴い、慢性便秘症の患者が増加しています。高齢患者では便秘の自覚症状がない場合が多く、重症化して宿便による大腸穿孔や腸閉塞につながるリスクがあります。また、高血圧患者にも注意が必要で、降圧薬を服用していても排便時の力みで血圧が急上昇し、心停止やくも膜下出血を生じ死に至るケースがあります。
 

 排便頻度が少ない人では循環器系疾患の死亡リスクが上昇するという報告がAtherosclerosis誌に掲載されている他、慢性便秘症の人はそうでない人よりも寿命が短いという報告がAmerican Journal of Gastroenterololgy誌に掲載されています。
 

 便秘は全身疾患であり、生命予後にも大きく影響するため、適切な治療を行う必要があります。