医療ドラマに登場した外傷患者は、救急診療部から手術室へ直行し、生存した患者はすぐに退院する傾向があるため、実際の医療現場において、患者の満足度低下につながる可能性があると指摘した論文が、Trauma Suegery& Acute Care Open誌に掲載されました。
論文では、ドラマと現実との間にどれほど差があるのかを調べるため、「グレイズ・アナトミー」シーズン1~12の269エピソードに登場する患者290例と、2012年に米国立外傷データバンク(NTDB)に登録された患者4,812例を比較しました。
その結果、患者の死亡率はドラマの22%に対し、現実では7%。救急診療部から手術室へ直行した患者はドラマの71%に対し、現実では25%。治療後に長期ケア施設に移った割合はドラマの6%に対し、現実では22%。さらに、重傷患者の1週間以内の退院は、ドラマの50%に対し、現実では20%でありました。