東京慈恵会医科大学熱帯医学講座の西嶌暁生氏らのチームは、難治性足潰瘍にマゴット治療(無菌ウジ虫療法)を応用し、開発を進めています。

 

 糖尿病や動脈硬化に伴う難治性足潰瘍においては、急速に進行し下肢切断に至るケースがあり、国際糖尿病連合(IDF)によると、世界で30秒ごとに1人の糖尿病患者が下肢を失っています。

 

 西嶌氏らが着目したマゴット治療とは、傷口にマゴットを載せて壊死組織を食べさせる治療法。マゴットによる壊死組織の除去、肉芽増生作用、抗菌作用を利用するもので、米国では米食品医薬品局(FDA)の認可を得て保険適用となっています。さらに、チームは、ウジ虫から組織を増殖させる生理活性物質を抽出することに成功。将来は、その生理活性物質を塗るだけでよくなるかも。