サルコペニア予防の観点から

 関西電力病院総長の清野裕氏は、「高齢者の糖尿病治療においてはサルコペニアを予防して寝たきりにならないように、骨格筋の保持を重視することが大切で、そのためには、肉や魚を先に食べ、次に野菜、そして炭水化物を食べる指導が有効である」と、第31回日本臨床内科医学会で発表しました。

 

 また、健常人を対象に、牛丼として肉と米飯を同時に食べる群と、牛皿を先に食べた後に米飯を食べる群に分けて食後血糖を比較したところ、牛皿を食べてから米飯を食べた群は食後の急激な血糖上昇が抑えられることが明らかとなりました。

 

 清野氏は、「従来は野菜を食べてからおかず類を食べてほしいと指導してきたが、高齢者の場合、野菜を先に食べるとそれだけで満腹となってしまい、肝腎の肉や魚を食べられなくなってしまいがちだ。そこで高齢者の場合、肉や魚を先に食べ、次に野菜、特に食べやすいように煮物にするなど調理をしたものを食べた後に炭水化物を食べるよう指導することは、食後血糖上昇を抑制しつつ、蛋白質の摂取量を高めてサルコペニアを予防するために有効だろう」と述べています。