アジアやアフリカ、中東などではスクワットの姿勢で排便することは珍しくありませんが、先進国では西洋型の便器を使用するのが一般的になっています。

 

 今回、西洋型の便器においても、スクワットの姿勢を保つための足置き台の使用によって短時間でスムーズに排便できることが健康な男女52人を対象とする前向き研究で示されました。この研究結果は世界消化器病学会議(WCOG 2017、10月13~18日、米オーランド)で、米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのRohan Modi氏らにより発表されました。

 

 計1,119回の排便(足置き台を使用した排便が384回、足置き台なしでの排便が735回)を対象に解析した結果、排便にかかった時間は足置き台なし群の5.60分に対して足置き台使用群では4.24分と有意に短縮していました(P<0.001)。また、足置き台使用群では排便時のいきみの評価スコアや残便感も有意に改善していました(いずれもP<0.001)。さらに、研究対象者の67.3%(35人)が研究終了後も引き続き足置き台を使用する意向を示していました。特に研究開始時に残便感を訴えていた対象者は、長期間にわたって使用を継続する確率が高い傾向にありました。