昨年の冬、中国を中心に鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染例が急増し、高病原性ウイルスが確認されました。今のところ、家禽類との濃厚接触による感染が大半で、ヒト-ヒトの間で容易に感染が広がる徴候はありませんが、専門家のあいだでは今まで以上に注意深い監視が必要と警告しています。

 

 昨シーズン、鳥インフルエンザH7N9ウイルスのヒト感染例は757例と急増し、死亡は290人で、致死率は38.3%と高率でありました。また、低病原性から高病原性に変化したH7N9ウイルスが現れ、高病原性H7N9ウイルスのヒト感染例では、致死率が50%に上昇しているばかりか、発症から死亡までの時間も短くなっていることも報告されています(Trends in Microbiology,2017.25;713-28)。

 

 全世界では、2017年9月までの累計患者数が1564例で、少なくとも612人が死亡しています。致死率は39%と高く、地域的には中国本土からの報告が1533例、香港21例、台湾5例、カナダ2例、マカオ2例、マレーシア1例となっています。