安定財源という悪夢のような税金 | 産経新聞を応援する会

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安定源という悪夢のような税金



最近、テレビでも新聞でも、市町村などの基礎自治体は安定した財源を持つことが望ましく、その為に固定資産税は最適な税金だと誉めることが定番となっています。しかし、これはおかしな話ではないでしょうか。不安定な収入しかない住民が安定的に税を納める(???)という数学的な矛盾。これは、たとえ金が無くても課税されるという市民の苦痛の上に成り立った安定です。金がなければ資産を売ってでも払えということです。これに違和感を持つ者はいないのでしょうか。安定財源は民の犠牲で成り立つのです。


よって、安定財源ということで民への課税たる固定資産税や外形標準課税を正当化するのは、政府のムシ良い行為と言わざるを得ません。国が、第一に置くべき国民の経済状態を配慮するどころか、市町村において、不況で差し押さえが大量発生しているにも係わらず、市民の生活よりも市町村の税収の安定が大事であるという考え方を持っていることに違和感を持たざるを得ません。


税収はむしろ景気動向に合わせて左右されるべきものです。不安定な景気動向下では、経済政策を駆使し、財政出動をし、これらの政策によって財政危機を乗り超えることが国や自治体の「仕事」であす。 その「仕事」を楽なものとするため、あるいは「安定財源」を求めるあまり、市民を苦境に陥らせるなどあってはならないと思われます。

安定財源の被害の典型的な例として、固定資産税に関連して実際に起きたことをお話します。

シャッター商店街に、土地(六○○坪)、建物(築三○年、延床面積三○○○坪五階建ての鉄筋コンクリート造の商業用不動産があります。入居者がないため、収益の可能性はほとんどありません。商店街から客が消えたので、収益が上がらなくなったのです。にも、関わらず、この不動産に毎年、年間九○○万円(土地一○○万円、建物八○○万円)もの固定資産税が掛かっているのです。現在もかかっています。私は、収益が無くなったことが悪いと言っているのではなく、収益が無くなった建物に、それほど大きな固定資産税をかけることに合理性があるのだろうかと言いたいのです。

有効利用の可能性としては、鉄筋コンクリート造の建物ですから、耐用年数はまだ二○年ほどあるのですから、収益を当てにしない倉庫や野菜の直売所としての活用は十分考えられ、シャッター商店街の組合もそうした利用を要望したのですが、それでは、賃料収入が固定資産税の支払いにまったく足りません。笑い事ではなく、固定資産税額が賃貸収入を上回ることが実際に起きているのです。仕方なく、オーナーは解体を決意しました。そこに、タダ同然の値段ならもらっても良いという人が現れ、超低額(タダ同然)にて譲渡しました。つまり、不動産価格がゼロになったということです。譲渡を受けた人の後日談としては、その人も、収益が固定資産税に全然足りず、保有しているだけで毎年赤字が出ている有様です。

この話のおかしなところは、収益の全く見込め、タダ同然の流通価格しかないものに、年間九○○万円もの固定資産税が掛かっているということです。一体、この不動産のオーナーとなった場合、どうすれば切り抜けられるというのでしょうか。東京では有り得ないことでしょうが、お客のいなくなった田舎町では、現にこのようなことが起こっています。私の住んでいる田舎町において、この税制はおかしいのではないかという疑問が起きることは当然と思われます。

上記の例は、かなりひどい例と思われるでしようが、決して特別な例ではなく、普通の例として、競売価格が五○○万円、年間固定資産税が一○○万円というアンバランスな競売物件がいくつもあります。普通の競売物件としてあるのですが、なかなか落札者が現れないのもごく当然のことです。たとえ、取得代金の五○○万円が用意できたとしても、現在は収益の図れない地域ですので、毎年掛かってくる固定資産税が払えません。

こうなっては、市役所が第二の建物所有者とも言える情況です。主役が建築主から市役所に入れ替わっているのです。徴税者という債権者のほうが強いのです。固定資産税のために、不動産に関する所有権の行使が阻害されているということであり、財産が財産でなくなっているということでもあります。

土地固定資産税は地価が下落すれば同時に下がりますから安定財源になりにくいのですが、建物固定資産税はどんなに地価が下がっても関係なくて下がりませんから超安定財源となります。しかし、一方で、民間の経済活動は苦境に立たされます。しかし、このような安定財源というものは、国民にとっては悪夢のような税金なのです。



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