こんにちは、ブログはかなりお久し振りの女将です。

先日会期前から「絶対行く!」と息巻いていたミイラ展に一人で行ってきたのですが、子供の頃から憧れ(?)ていたミイラに相まみえたことで感情が散らかっているのでミイラに対する思いの丈を整理すべくキーボードを叩いております。

 

生贄として作られたミイラ、死後も自分の権力を示すために作られたミイラ、永遠を求めて作られたミイラ、宗教としてのミイラ、偶然ミイラになってしまったミイラ・・・ それはそれは世界中の色んなミイラ43体!が一堂に会していました。

 

そもそもミイラに魅せられたのは幼少期に同じく上野の科学博物館で見たミイラでした。

昔の部族が作っていた、人間の首を切り落とし頭蓋骨を抜きそれを乾燥させて10cmほどに縮んだ「干し首」は当時の私には大変な衝撃でした。

その干し首も今回展示されていて数十年ぶりの再会となり記憶が蘇り懐かしさに変な感動すらしてしまいましたね。

変な話ですが「えー!久し振りじゃん!元気してた!?」みたいな気持ち・・・ 元気なはずがない笑

 

そして今回の展示で私が一番見たかった「即身仏」

即身仏も子供の頃に読んだ本で知り、その壮絶な修行内容に衝撃を受けたものです。

自分以外の人間の為に正気を保てない程の想像を絶するような苦行をし、信仰の対象そのものになる。

人間が死して神になるという「意味」としては理解できてもなかなか常人には「感情」として受け入れ難い行いです。

その思考を子供の頃からずっと理解したいと考えてはいるのですが未だに咀嚼できませんね。私は煩悩だらけの至って凡庸なホモサピエンスなので当然っちゃ当然ですが。

 

初めて見た本物の即身仏はそこだけ空気が全く違う厳かな雰囲気で満ちていました。

展示の仕方や日本人だからという理由もあるとは思いますが一種独特なものがありましたね。

 

今回の展示を見て、改めて宗教観や死生観について深く考えさせられ「人間とは」という永遠の謎についてもまた悩み始めるきっかけとなってしまいました。

 

 

 

私は子供の頃から「人は何故生きているのか」という疑問をずっと持ち続けていたので、小学6年生の時に学年で一番頭の良い子に「なんで人間って生きてるんだろう?」と聞いたことがありました。

 

その子は「そんなの考えてもしょうがないんだよ。 誰も分からないんだから答えのないことを考えてもしょうがないんだよ」と即答。

何か答えを探していた私はそのド正論にすごくショックを受けました。

 

それから数十年たった今でもその11歳の女の子から貰った以上の答えを見付けられません。

 

今回の展示で何かヒントがあるかな、と思ってもみたのですが、やっぱりそこでもあの子の答え以上のものはありませんでした。

でもいつか何か答えが見付かるのではないかと思って考えてしまう。凡庸なホモサピエンスです。

あの子は11歳にしてもう修行僧の域に達していたのでは、と今でも尊敬しています。本人は覚えてないかもしれないけれど。

懲りずに答えを探し求める私は即身仏に関するデータを纏めた本を購入しました。

まぁ、答えが出るとは思っていませんが何か腑に落ちるものを見付けたいという浅い人間の感情です。

読了したら会期中に改めてミイラ展に行きたいと思います。

 

 

(女将)