
バスで遠回りしてようやく目的地近くの港に到着したのだった。

港から目的地までの道中、キャベツ畑と山が見える。
九州の山は天然林が多く残っていて、しかも照葉樹林。だから基本は暗緑色で、今の時期は芽吹きの季節なので、ところどころ新緑の黄緑が混じっている。

海岸に到着。道沿いにちょっとした空き地があり、そこから海岸に降りられるようになっている。ただの空き地ではなく、ちょっとした砂丘の気分。
向こう側に突き出た部分、あそこらへんには太古の樹木が丸太の姿のまま珪酸を主成分とした鉱物に置き換わった「珪化木」という化石があり、海岸沿いの露頭で見ることができる。その化石は天然記念物に指定されているというのだが、今回はそれはどうでもいい。

砂浜には独特の植物が見られる。これはハマヒルガオ。小さいつやつやした葉っぱとうすいピンクの花がきれい。

これはハマボウフウか。よく見る画像はもっと小さいものや花を付けたものが多いが、葉っぱのかんじからしてそうだろう。

基本的には砂浜だが、波打ち際近くにけっこう岩場も露出している。この状況を覚えておいてほしい。

さっき電車を降りた福間駅で買った「かしわめし」。このあたりの駅弁として有名らしい。よく見ると、「折尾名物」と書かれている。折尾駅はさっき特急から快速に乗り換えた駅。前回、きの山さんがその駅の駅弁が有名と言っていた意味がわかった。

開けると、ごはんのうえに細かく裂かれた甘辛い鶏肉、錦糸玉子、のりがしかれている。
けっこう朝底だった。

海岸の露頭。風や波で削られたのか、複雑な形状をしている。地層も多様な岩石で構成されていて複雑なかんじ。

海岸の樹木は吹き付ける潮風のせいか、みな低くて、一方向に流れるような樹形になっている。

ほとんどは砂浜だが、一部だけ岩石が転がっている場所がある。ここが今回の採集場所。
実はここに到着したときにすでに先客の団体がいたのだが、彼らが立ち去ってから行動を開始した。
次回、採集紀行伝 西国演義
第3話「わかめ好き好き」
いざゆかん、民のために!