きのこ歴30年。
その歴史の中でひときわ自分の記憶に刻まれ、そして後の世に語り継ぐかもしれない旅がある。
西暦2012年、日本は野田総理の時代。
菌学会は東北、関東、西日本3つの支部が互いに研鑽を競い、
荒ぶる猛者?が野山を駆け巡っていた。
採集紀行伝 東国演義!
それがささやかな少年の趣味のためでも 我は律儀に語りかけた
町に埋もれて生きるのがいやに思えて 季節季節に雨を待った
これはなに?彼が尋ねる ハラタケと我は答える
野山にしみる雨で 菌類の成長を促す
限られた予算の中 無駄遣いしないように
息をアラゲきつい 山登り後を追っておいでよ
7月のときには2種類のチャダイゴケが見られたが、今回はひからびたかんじのハタケチャダイゴケがあった。
流水・紫雲さんが今年はまだイグチが出ていないといっていたが、さっそく見つかった。
なんだか割れて変な形になっているが、たしかにイグチ。
柄は淡黄色地に少し赤みがさし、茶褐色のつや消しのカサ、黄色い管孔だが孔口は赤っぽい。
肉は淡黄色で、傷つけたり切ると管孔だけが青黒くなる。
いったい、なんというイグチなのかは不明。
前回、イロガワリシロカラカサタケが出ていた駐車場横のトイレ付近は除草されたばかりで、オオホウライタケなどがいっしょに刈られていたが、このイロガワリシロカラカサタケは無事だった。
クジラタケやコキララタケが出ていたポプラの倒木に、なんだかヒラタケみたいなものが出ている。先に流水・紫雲さんが自身の記事で小さいのを掲載していたが、実物を見ると、なるほど、これは大きいヒラタケだと思った。でも、普通、ヒラタケは晩秋から冬にかけて発生し、夏場はウスヒラタケが多い。だから珍しいと思った。
採集してみると、これがなかなか立派なもの。翌日に千葉へ持参して先生に見てもらったが、ヒラタケにしてはちょっと変。ヒラタケはヒダがどちらかというと灰色っぽくなるものだが、これはやや黄褐色を帯びている。
表側もヒラタケみたいだが、なんだか違和感もある。結局正体は不明のまま。
だがしかし、ヒラタケに近い種類であることにはちがいないだろう。
チャリだと広い園内も楽々移動できる。おかげで短時間で広い範囲を探索できる。
公園にはこのような川があり、ザリガニとりや釣りを楽しむ来場者もいる。
水元公園は都内最大規模を誇る公園だけあり、とても広い。徒歩では全部回れない。
こうしたかなり広い広場もある。それでも全体の中ではほんの一部に過ぎない。
これは酔渓さんが喜びそうな斑入り植物?
次回、採集紀行伝 東国演義
第7話「槐の刺」
いざゆかん、民のために!