きのこ歴30年。
その歴史の中でひときわ自分の記憶に刻まれ、そして後の世に語り継ぐかもしれない旅がある。
西暦2012年、日本は野田総理の時代。
菌学会は東北、関東、西日本3つの支部が互いに研鑽を競い、
荒ぶる猛者?が野山を駆け巡っていた。
採集紀行伝 東国演義!
少し前までは少年は外で遊んだ それが彼らの日常だった
ゲームと話すより泳いでる魚捕まえ きのこの名前など覚えたものだ
これはなに?彼が尋ねる ハラタケと我は答える
そのときすでに我は 少年を道連れにしている
先探しているから 迷わずに付いておいで
名前調べる頃を見計らい 図鑑出してあげるよ
今度も三連休を利用して(+夏休み1日)東国遠征へ。
木曜日の夜行バスで新宿へ降り立った。
新宿から所沢を経由して、西武線で秩父へ。
今年もカピさんに秩父を案内していただくことになった。
所沢から秩父まで、特急で1時間半ほどだが、途中、飯能という駅でホームへ先頭から突っ込んだ電車は今度はバックして後ろを先頭にして秩父まで走る。
秩父に近づいてくると、シンボルとでもいうべき武甲山が見えてくる。
この山は全体が石灰岩でできているため、山を露天掘りで削ってきた。そのため、上の方は削られた痕跡がよくわかるのだが、このときはもやがかかってよく見えなかった。
秩父駅へ降り立つ。見たことはないが、このまちを舞台にしたアニメのおかげで、そのファンが訪れるようになり、ファン向けの商品とか、ゆかりの場所巡りとかで人気があるらしい。
秩父に来たら、普通はカピさんの活動の舞台であるミューズパークへ行くべきところだが、雨も少なく、きのこも期待できないということで、標高の高い地域へ連れて行ってもらうことになった。このあたりは東京、埼玉、山梨など広い範囲を含む「秩父多摩甲斐国立公園」に含まれている。先週訪れた奥多摩はこの地図でいえば右下のほう、今回は中央上のほうだ。
標高1500mほどの山地へ行くとさすがにすがすがしい。
これから散策する森の入口には移築された古い民家がたっていた。
なんかないかな~と探していると、さっそく見つかったのはモリノカレバタケ属。
かつて広義のモリノカレバタケ属は「Collybia」だったが、いくつかに分割されて、狭義のモリノカレバタケ属は「Gymnopus」とされた。
これはなんだろうか。近くの葉に胞子が落ちて白くなっている。
ニガイグチモドキがあった。カサや柄はつや消しのちょっとオリーブ色の混じった淡茶褐色とでもいうような色合い。
最大の特徴は管孔の孔口が紫色を帯びていること。
次回、採集紀行伝 東国演義
第2話「奥宮の細道」
いざゆかん、民のために!