キリノミタケ | 三十九さんの部屋

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キリノミタケ(桐の実茸) Chorioactis geaster

子嚢菌門チャワンタケ亜門チャワンタケ綱チャワンタケ目キリノミタケ科キリノミタケ属
choriactis コリオアクティス(ギリシャ語の「chorio(分離)」+「aktis(放射)」)
geaster ゲアステル(腹)

1属1種の珍しいきのこ。
湿度の高い照葉樹林において、半ば埋もれたようなイスノキやイチイガシの倒木から発生する。
以前は宮崎県やアメリカのテキサス州オースティンでのみ発見されていたが、近年は四国や関西でも確認されている。
高さ5cm程度で、最初は真っ黒な紡錘形で、その名の通り、桐の実やアーモンドのような形をしている。注意しないと気がつきにくい。また、そういうものだと認識して探さないと見つけにくい。それがやがて4~7片に縦に裂けて外側へ開く。
内部は中空で、内側は肌色~橙色の子実層となっている。
2011年10月、きのこ展会場に展示されていたものを撮影。

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このように、昨日のハマキタケと並べて展示されていた。

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解説パネルの上の写真が開く前、下が全開状態のもの。
実にふしぎな形をしている。発見例がまれなので、レッドデータブックで絶滅危惧種として掲載されている。
動物や植物の場合は現物を確認しやすいが、きのこの場合は目に付く状態(子実体)になっている期間が短いため、本当に個体数が少ないのか、単に目撃例が少ないだけなのかむずかしいところ。しかし、めったに拝めないきのこであることには間違いない。
このキリノミタケが発生するような枯木は表面が真っ黒になって固くなっているものだという。そういうのはよく山で見かけるが、キリノミタケが出ているのは見たことはない。
そのかわり、オオゴムタケが出ていたのは見たので、そういう倒木はなんらかの子嚢菌がついているのだと思われる。