きのこ歴30年。
その歴史の中でひときわ自分の記憶に刻まれ、そして後の世に語り継ぐかもしれない旅がある。
西暦2011年、日本は菅総理の時代。
菌学会は東北、関東、西日本3つの支部が互いに研鑽を競い、
荒ぶる猛者?が野山を駆け巡っていた。
西方紀行伝 南国演義!
それがささやかな少年の趣味のためでも 我は律儀に語りかけた
町に埋もれて生きるのがいやに思えて 季節季節に雨を待った
これはなに?彼が尋ねる ハラタケと我は答える
野山にしみる雨で 菌類の成長を促す
限られた予算の中 無駄遣いしないように
息をアラゲきつい 山登り後を追っておいでよ


これが太宰府天満宮の本殿。なかなか重厚な作りだ。
その背後にはクスノキの森林が広がる。
西日本は特にクスノキが多い。防虫成分も含んでおり、古くから人々がなにか特別な思い入れを持っていたのだろうか。

本殿のある区画から横の出入り口を出ると、おそらく境内では最大級のクスノキがある。左下に万歳して記念撮影している人がいるが、その巨大さはわかるだろうか。

ここまでくると天然記念物級で、標柱とか説明板が建てられている。
横の建物と比べてもその巨大さがうかがえる。

説明板。根本の周囲が20mもあるとはさすが。大正11年に当時の文部省が天然記念物に指定したそうだ。

みよ、この大迫力を。もはや神がかっている。
昔の人はこういうものに霊力が宿っていると考えたのだろう。

猿回しをしていた絵馬殿にはいくつもの巨大な絵馬がかかっているが、この絵馬はなんだかモダンなデザインだ。だれが奉納したのだろう。

太宰府から西鉄天神駅に戻る。JRや私鉄は切符を買わなくても電車に乗れるICカードを導入しているが、西鉄の場合は「nimoca」というのか。
ラッコかカワウソみたいな動物がキャラクター。
さらに自動販売機でも使えるらしく、その絵柄の自動販売機もある。

5月3日から福岡では「博多どんたく」が開催されるため、ムードを盛り上げている。
駅横の商店街でもどんたくセールなるものが実施されている。

福岡市役所前では特設ステージも準備され、ダンスのリハーサルみたいなことをしていた。当日は何万人もの来場がある賑やかなイベントらしいが、具体的にどんなことをするのかは知らない。

近くの道路の街路樹。葉っぱがトチノキのように見えるがなんだろう。ちょうど花が咲いていたが、トチノキの花がどんなのかはしらない。

一面がすごく緑化されたビルがあった。なんの施設かと思ったが、オフィスが入居するビジネスビルのようだった。

今日の晩飯はなににしようかと思ったが、せっかく博多に来たのだから、もつ鍋も味わっておかないと。ということで、「一人もつ鍋」が食べられる店に。

よそでももつ鍋は食べることができるが、本場でははじめて。しょうゆ味とみそ味があったが、みそ味にした。たっぷりの野菜と麺が入っている。
餃子も頼んで、生ビール、ジンジャーハイボール、ハイボール、焼酎とようけ飲んでしまった。ここはよい店だ。

「西鉄天神駅」は正式には「西鉄福岡駅」なのか?
いろんなショッピングセンターもくっついている。
帰りはこの駅発の夜行バスに乗るのだが、夜9時発なのでどうやって時間をつぶそうなか。晩飯を食ったのが6時くらいだった。

駅ビルの3Fにバスターミナルがあるのだが、その同じ階のショッピングセンターに、ガチャガチャコーナーがあった。見ると、「ソフトきのこストラップ」があるではないか。これは知っていたのだが、そのガチャガチャの実物を目にしたのははじめてだった。
よし、いっちょやったろうと思ってはりきって200円を入れて(1回200円)回したのだが、3個目でもうだぶってしまったのでやめてしまった。別にこの中身を全部買ってしまってもよかったのだが、荷物になるのでやめた。結局エリンギ1個、ガンタケ2個を買っただけ。
9時に出発する京都行き夜行バスに乗って帰った。
本当は行きもバスにしたかったがすでに売り切れていた。夜行バスの往復にすると、新幹線での片道料金よりも安いのだ。
ということで翌5月3日の朝に京都に到着した。
今回、先祖に関する手がかりを得ることはできなかったが、今度はちゃんと資料を下調べしてからにしよう(そうすりゃいいのだが)。幸い、小城の図書館で小城藩の家臣に関する資料を得ることができた。調べればなにかわかるかもしれない。今度来るときはご先祖の墓参りができるかもしれない。
急に思い立っての九州旅行だったが、今まで知らなかったもの、見てみたかったものにふれることができて、有意義な旅だった。
西方紀行伝南国演義 漢
風に舞う 胞子のように 行くあてさえ知らないまま
土にはう 菌糸のように ひとり ゆらりゆらら