コフキサルノコシカケ(広義) | 三十九さんの部屋

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コフキサルノコシカケ(粉吹猿の腰掛) Ganoderma applanatum

担子菌門ハラタケ亜門ハラタケ綱タマチョレイタケ目タマチョレイタケ科マンネンタケ属
ganoderma ガノデルマ(光沢のある皮)
applanatum アプラナトゥム(平開した)

寒い時期になってきのこが少なくなってくると、こういう堅いきのこにも目が向く。
柔らかいきのこが少ないときには逆に収穫が増えるというふしぎ?
年中樹木に発生しているのが見られる。
広葉樹に発生。倒木や枯れ木にも出るが、一見枯れていない木からも出ているのは、その心材を腐朽させているため。
菌類による木材の腐朽には2種類あり、セルロース・ヘミセルロースとともにリグニンが分解されると木材が白色になり、これを「白色腐朽」といい、逆にリグニンが分解されずに残ると材が褐色になる「褐色腐朽」となる。きのこの種類によって木材の分解能力が違い、褐色腐朽か白色腐朽となる。
コフキサルノコシカケは白色腐朽。

多年生で年々成長する。
カサ上面は灰白色~灰褐色で、下面(子実層)は白色で微細な管孔。新鮮なものを傷つけると褐色に変色する。
カサ表面には光沢がない。
胞子は茶褐色で、しばしばココアの粉末のような胞子を散布して自分にもかかっている。
上の写真でも、褐色の胞子が倒木や下草にかかっているのがわかる。
「コフキ」とはまさにこのこと。

一般に「サルノコシカケ」と呼ばれるのはこれ。
古くから薬用とされ、野外でも発生したものをだれかが採取して折っている跡があるが、そこからまた成長したりする。特に梅の木から発生したものが珍重されるようだが、意味はないと思う。

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これは京都御苑のケヤキの倒木から発生したもの。明治の東京遷都以来、御所周辺の公家屋敷はなくなり、そこに植樹されて「京都御苑」は誕生した。いわば人工の自然だが、今では様々な大木が茂り、都心の真ん中でオアシスのごとく豊かな自然環境を育んでいる。枯死した樹木が切り倒されたものでもときにはこのように放置されて格好の観察要素となっている。この倒木からはこのようにコフキサルノコシカケがたくさん発生。やがてヒラタケが発生し、その分解の進行度合いにあわせて発生するきのこの種類が変化する。そしてぼろぼろになって土に帰っていく。

2013年9月21日追加
従来はG.applanatumとG.australeの2系統があるとされていたが、分子系統解析の結果、他にも多数の類似種が混同されている可能性が示唆されたといい、(広義)とした。

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2013年10月4日追加
平面的にカサが成長しているもの

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カサが層状に重なったように成鳥しているもの