「お月さまへようこそ」鑑賞感想 | りんりんのブログ

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正直見られるなんて思いもしませんでした。

前回の久保秀さんのバスツアーで再三宣伝されていて見に行きたいとは思っていましたが、前のブログに記していましたが

「MANKAIカンパニーA3!ACT2 SUMMER」がかぶっていまして

同じ大阪でしたので前日にUSJのワンピースプレミアムショーを見に行きましたので、一泊して大阪に滞在する予定でした…

が!!

昨今のコロナによってエーステが大阪公演中止!!

宿泊も予約して、見る気満々だったのに…2週間前になって中止…

二日目は何を過ごしていけば…と思ったら

<あ、『お月さまへようこそ』見に行けばよくね?>

って考えが過ぎりましたね。

幸いにもギリギリでホテルキャンセルしてキャンセル料金も取られずに済みましたし、帰りの夜行バスはキャンセル料金何パーセントかは取られましたけど…

急遽大阪から東京の夜行を予約して、

東京から最寄りの駅までの夜行を予約しました。

土壇場で計画したのが、

USJでいっぱい遊んでショーを鑑賞した後、夜行で大阪から東京に移動。朝着いたらランニングの方々が使う施設でシャワーとロッカーを借りて余分な荷物を預けて、劇を鑑賞したら戻って、

東京から夜行で最寄りまで行き、早朝の市バスで自宅に帰り、

シャワーを浴びて、勤務に行くというハードスケジュールになりました。

とにかくなんにせよ、見られてよかった!!

 

またヒヤっとさせられたのが、公演前日にして出演者の

小日向星一君がコロナにかかるというね…

あわや公演中止かと思いきや残り5人で公演するという結果に!!

只でさえ6人という今まで見た中で少ない出演人数なのに、

しかも前日よ!前日!!代役にセリフの覚え直しや衣装にセットの変更を

たった一日で完了させて本番迎えなきゃいけないって…

これこそ役者の醍醐味って奴なんですかね?

せっかく東京まで来たのに見られないなんてことにならなくて良かったです。目に焼き付けて置きたい。ていうかDVD出て欲しい!(無理かなぁ)

 

※原作を知らないので解釈やセリフが間違ってるかもしれません。

自分なりに思った事を記録して行きますので、ご了承ください。

 

最初にキャストが全員いろんな役の格好で出てくる。

久保秀さんが煙草に火をつけて吸っています。

ライターといい、煙といい、本物を使ってるみたいです。

『赤いコート』

ジョンとメアリー。

二人は17歳と16歳。

おそらくプロモの開場前?そこで入れずにいるジョンに赤いコートを着たメアリーが現れる。

月明かりと街灯に照らされた樹が奇跡の瞬間をもたらし、ひとりぼっちの二人が分かち合い、キスをします。

ボクはこれを見て街路樹越しに照らされる街灯のように身近にある美しいもの…それを見る度、この話を思い出しそうです。

 

『どん底』

ポエットとラブ、人物、郵便屋

ポエットの恋人ラブはナイフとフォーク、お皿にグラス、

ナプキンは半分に切って2人分にして、真ん中のろうそくにマッチを擦って明かりを灯す。

雨が降る中、戸を叩くとポエットが現れる。

ポエットは詩人で、世間の無理解と無関心の抑圧で、売れてない詩人らしく、わずかな豆をラブと分けあうほどの貧しさ。

詩人なのに、書く為の鉛筆さえない。そろそろ届く予定なのだが…

ドンドン!ドンドン!!ドンドンドンドンドンドン!!

けたたましい戸を叩く音を立て出てきたのは、もくじでは「人物」として出てきたけど、その風貌は死神のよう…

これはポエットの視点なのかな?

「カシダシヒョウヲワタセ」

「この人には鉛筆も食べるものもない。残っているのは本だけなの」

「カシダシヒョウヲワタセ」

人物はラブの願いを無視して要求する。

仕方なく渡すと高笑いして去る。

「奴らは「〇〇(忘れました)の休日」を取りあげてしまった!」

おそらく本の題名でしょうね。詩的。

次はお金を手にまた現れる人物。

「オカネ!オカネ!」

「みてポエット!あのなんて鮮やかな緑色!」

「それをくれないか!」

「オマエノ魂ヲヨコセ!」

すると何もない部屋にある箱を渡そうとするポエットを止めるラブ。

「帰って!」と言って追い出す。

おそらく箱は詩を書く魂を具現化していて、お金と引き換えに魂を売ってはいけないと表しているのかな?

次は郵便屋が現れて、待っていた鉛筆が届く。

開けてみると…中には折れてしまった鉛筆。

絶望し打ちひしがれる。その後はラブと一緒に箱を開けてこの話は終わりました。

うーん…難しい!!

才能で食っていく職業って貧しくて孤独で、四六時中悩んでて

どん底に落ちていくような気分になっても

魂までは売れない、書くことも、表現することも辞めないってことかな?

 

『星降る夜に出かけよう』

男と女。幽霊二人

友人(人形で表してるけど)と話している女。

何やら男女の奇怪なものに取り憑かれてる男。

纏わり憑いてる幽霊が男の体を撫でまわしててエロい…

私はもう私を愛してくれる人を探すわと男に近づく女。

宣言すると女は友人をガムテープでぐるぐる巻きにしてゴミ捨て場に捨てる。シュールだったな~

男が言うには幽霊たちは両親で、母親は生前僕を束縛していたとか。

納谷健君が演じる母親の幽霊の動きが奇怪で、バクテンまでしてるから凄い。

星降る夜に出かけ、孤独だった二人が互いに解り会える二人になるお話?

ちょっとこのお話には共感というか…

今まで通りすぎる人、景色の一部、日常の風景、エキストラでしかなかった人が。

何かをきっかけに特別な何かと認識すると、景色が変わって見えてくる感覚。

ボクも久保秀さんを『血界戦線』で知る以前から作品に登場しているのを見ていたんですが気付かなくて、

今まで何でもなかった作品が急に見たくなってしまう感覚に似ている気がします。

「シャンパン!」で二人が指を口に入れてポンッと栓を抜く音を表現しているのが印象になぜか残ってます。

 

『西部劇』

窮屈な生活を強いられてる女と、別の男に、ゴミ置き場にて青年が

現実にうんざりしているかのようで、西部劇に出てきそうな服装に着替える。

西部劇に出てきそうなバーに出てくるカウボーイ、そのカウボーイに恋する少女、カウボーイに兄を殺され敵打ちに現れた少女の恋人の青年。(なんか既にドロドロ)

しかもベッツィっていう女が服の一部をカウボーイに渡して「2階で待ってる」なんて言っていっちゃうし。

早打ちの決闘で少女が庇って青年の銃弾受けて、カウボーイの銃弾受けて青年倒れるし。

バーテンダーが二人の脈を測るけど首を横に振る。

「彼女は君の命の恩人だ」

何とも目覚めの悪い…

「「「あーーーー!」」」

さっきまで来ていたウエスタンスタイルを投げ捨て蹴飛ばす3人。

とりあえずバーテンダー久保秀さん合い過ぎ!

みんなそれぞれ孤独とか、束縛みたいなのがあって

西部劇に出てくるカウボーイたちの様に、広い荒野を旅して、自由に生きたいのかも知れない。

 

『喜びの孤独な衝動』

舞台はセントラルパークの実在する池。

石丸さち子さんもこの作品が好きすぎて現地に向かって探したそうです。

暗い中池の前のベンチに座っているウォルターとその親友ジム。

ジムはウォルターから会わせたい人がいると言われ付いてきたものの、誰もいない真夜中の池。一体誰が現れるのか聞いてみると

「サリー、僕の恋人で人魚なんだ」

当然ジムは冗談だろ?って顔してる。

紙袋から何かを取り出すウォルター。

「それは何だ?」

「カボチャのランタン」

「聞いた俺がバカだった。かわいいな」

何故かこのシーン印象に残ってます。

ランタンを照らしてサリー?と呼んでるウォルター。

付き合ってられないとばかりに去ろうとするジム。

本当にいるんだ待ってくれとジムを掴み戻そうとするウォルター。

「おかしいよ…君。」

今度こそ去ってしまうジム。

「サリー…どうして出てきてくれないんだ…」

「ウォルター?」

女性の声が聞こえて池を覗き込むと

バシャン!と音がして暗転。

これは…そういうことなのかな?

 

『どん底』老人バージョン

最初のどん底と内容が同じで二人が老人になっての演出。

今回取りいれた演目らしいです。

 

『お月さまへようこそ』

やっとタイトル回収です。

舞台は作者の生まれ育った町でもあるイースト・ブロンクス。

その酒場で青春時代の仲間が集まることに。

ヴィニーが先にいて(ウィニーって聴こえてました)

マンハッタンに在住してるスティーブンがキャリーケースを持って入ってくる。

というか久保秀さんがスティーブンってマンハッタンって

『血界戦線』じゃんwエモいw

スティーブンは結婚していて嫁がいるらしい。

他に誰が来るのか聞くと、ロニーが来ると説明する。

ロニーは自殺志願者で何度も自殺しようとしては失敗している。

他にはシャーリーが来るというと様子がおかしくなるスティーブン。

シャーリーは学生時代にスティーブンと付き合っていた元カノだった。

カウンターにつっぷして泣きだしてしまうスティーブン。

ヴィニーが心配して聞くと

「俺さ…女房に捨てられたみたいなんだ。

『ブロンクスに帰る』って言ったら『そう』って返されたんだ!

それに俺はまだシャーリーを愛してる!!」

めちゃくちゃ泣くじゃん…

そこにロニーも現れて、大人二人の男の泣き声が響き渡る。

また自殺に失敗したらしく、

最初は川で溺死しようとしたら子どもに笑われたり、川に住む菌に侵されそうになって止めて、

首をナイフで切ろうとしたら痛くて止め、

機関車に轢かれようと線路に立っていたら鼻先で止まってしまったり。

ロニー死ぬ気ないな。

ヴィニーが気を使って店の店主のアーティに何か用意できるかと聞くと

ベーコンチーズサンドならすぐに用意出来ると聴きそれを注文。

チーンと音がなってベーコンチーズサンドを二人の前に出す。

食べながら泣く二人。

スティーブンにロニーを見張ってくれといってシャーリーを迎えに行くヴィニー。

ロニーはスティーブンにカミングアウトする。

「実は僕、ヴィニーが好きなんだ。」

何とロニーは同性愛者で恋心に悩み苦しみから逃げたい為に自殺を繰り返していたという。

スティーブンもシャーリーを愛していると告白し、もうすぐ二人が来てしまう。

するとロニーが

「一緒に自殺しよう!!」

待て待て待て待て。なんでそうなる。

死んでいるロニーとスティーブンを見た二人が、記憶に焼きつけるために死のうとする二人。

思いついた方法が、ビニール袋をかぶって窒息する方法。

ビニール袋をかぶって店を走り回ったりジャンプしたりする二人。シュールだなぁ…めっちゃ笑うw

本当に大丈夫かって思う位、生き上がってる。

ゼェゼェ言ってる二人の前にヴィニーとシャーリーが出てくる。

「大人げないにもほどがあるぞ!!」

何だったんだろうねさっきの時間w

ロニーはヴィニーのことが好きだと告白。

「ロニーはゲイだったの?」

「あぁどうやらそうだ…髪がボサボサだ」

でしょうね。

スティーブンに聞くシャーリー。

「実は俺もロニーが好きだった!」

「嘘!彼もゲイ!?」

まさかの両想いだった…

「まさかあなたも?」

「いや俺は違う。…シャーリー君を愛してる」

どさくさに紛れて何告白してんだ。

「あぁ~ありがとう。でも悪いけど私と貴方はもう終わったの。」

玉砕?

みんな揃ったところで乾杯して終わる。

 

初めて見るタイプの劇でした。

原作を見たくなりましたね。

その後のアフタートークで

石丸さち子さんはスパルタな方らしく久保秀さんもかなり怒られたんだとか。

本番でh穴の空いたビニール袋を使ってましたけど

稽古ではガチのビニール袋で一回倒れたそうです。

でしょうね!!

にも関わらず石丸さち子に

「もう一回」

とやらされたそうです…恐ろしい…

詩的で私には中々理解しにくい演目でしたけど

それでも伝わる共感部分や感情もあって楽しめました。

パルテノン多摩も綺麗な劇場で素敵でした。

大阪から東京、東京に付いたらシャワー借りて行って、東京から地方に行って休む間もなく朝バイトした回がありました!

交通手段も含めて思い出深いイベントになりました。