先月16日(日)から放送がはじまったTBS制作・日曜劇場『VIVAT』。
島根県内でローケーション撮影が実施され、3話では松江城の濠端が映っていた。
今月13日に放送された第4話では奥出雲町の重要文化財・櫻井家住宅が登場。
櫻井家は、田部家・絲原家とならぶ松江藩鉄師御三家のひとつ。
仁多櫻井家の始祖は、2016年の大河ドラマ『真田丸』で小手伸也さんが演じた戦国武将塙團右衛門(ばんだんえもん)。
團右衛門ははじめ甲州の武田勝頼に仕えたが武田家滅亡後、豊臣秀吉の七将藤嘉明にの家臣となった。関ヶ原の合戦では鉄砲隊長を務めたが、大坂夏の陣で討死。嫡男二世平兵衛直胤は母方の姓「櫻井」を名乗り福島正則に仕えたが、同家改易により広島の郊外「可部郷」に住んだ。後に恵蘇郡新市(庄原市高野町)に移り「野だたら」を始めた。正保元(1644)年頃に三世三郎左衛門直重が出雲國上阿井に移り、屋号を「可部屋」と称して銘鉄「菊一印」を創り出した。この業績が松江藩に認められて五世源兵衛利吉は「鉄師頭取」を拝命、広く地域内の鉄山業を取り仕切った。また五世以降幕末に至るまで代々松江藩より「御鉄砲地鉄鍛方」を任せられていた。
櫻井家には第七代藩主松平治郷(不昧)公を最初に歴代藩主が6回に亘って来駕。また藩庁からの役向来駕も多く、その他賓客高士もここに足を運んだ。そのため数多の御成調度や書画、茶器などの優れた美術工芸品が残されている。
住宅に隣接してたたら製鉄の歴史と当家に伝わる調度や美術品などを展示する「可部屋集成館」が設けられている。
櫻井家住宅は1738年建築の主屋のほか御成門、金屋子神社、蔵などで構成され、国の重要文化財に指定されている。
本宅の三間続きの御成の間(上の間・二の間・三の間)はほかの部屋より一段高くなっている。
庭園は主屋の右手。
作庭は享和末(1803)年から文化元(1804)年とされる。
庭を囲む塀に設けられた御成門。
藩主来駕の時のみ開かれた。
門を潜った御駕籠は庭中央の「御駕籠石」に下され、藩主はここで駕籠を出て表座敷に通った。
不昧公はこの庭園を愛好したといい、自然の岩盤を利用した滝に「岩浪(がんろう)」と命名。
また背景の山には「寿宝山(じゅほうせん)」と名付けたと伝わる。
池泉の向こうに見える茶室は、1879(明治11)年に南画家田能村直入が建てた煎茶の茶室には「掬掃亭(きくそうてい)」の銘がある。
住宅奥の山に鎮座する社。
鉄の神様を祀る「金屋子神社」。
なお、ここでロケが実施されたのは今年の4月。
その様子を撮影した写真が可部屋集成館で見られる。
◆放送概要
タイトル：VIVANT
制作：TBSテレビ
放送チャンネル：TBS系列
放送期間：2023(令和5)年7月16―
放送時間：21時00分―21時54分
放送枠：日曜劇場
放送分：54分※通常放送
公式サイト：日曜劇場『VIVANT』
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◆ロケ地概要
名称：櫻井家住宅
所在地：島根県仁多郡奥出雲町上阿井1655
電話：0854-56-0800
開館時間：9時00分～16時30分(最終入館16時00分)
休館日：月曜日※祝日の場合翌平日、冬季(12月中旬～3月中旬)
入場料：集成館・庭園共通券大人1,000円、高校・大学生650円、中学・小学生450円
ホームページ：たたらの文化遺産可部屋集成館
文化財区分：国指定重要文化財 2003(平成15)年指定、島根県指定有形文化財 1997(平成9)年指定
●アクセス
鉄道・バス：JR西日本木次線出雲三成駅より奥出雲交通バス内谷行24分終点内谷下車徒歩5分
自動車：松江自動車道高野ICより島根県道湖陵掛谷線39号・国道432号経由約14km30分