鳥取県境港市の水木しげる記念館は、水木しげるさんの人と作品世界、同氏が世界中から集めた妖怪に関するコレクションなど、貴重な品々を中心に、館独自に制作したオブジェ等を多数展示。
水木しげるさんの創出した、独創的かつ多様な「作品」の世界、 哲学や精神の現れである「妖怪」の世界を展示や映像で紹介している。
同館の主要な文化資源は、以下の通り。
◆原画(複製原画含む) 203点
◆仮面・置物 143点
◆書籍 1,372冊
◆水木しげる氏愛用品 92点
◆キャラクターグッズ 480点
◆着ぐるみ 16体
◆展示物 536点
同館は2003年3月8日に開館、今月8日で開館20周年を迎えたが、建物の老朽化による現地建て替えのため、同日17時を以て現施設での営業を終了。およそ1年間休館を経て令和6年4月に新記念館の開館を予定している。
これに伴い今月5日より8日まで無料開放を実施。
合わせてこれまで撮影禁止だった直筆壁画や水木ギャラリーなどの撮影を可能とした。
直筆壁画は水木さんが同館を訪れた際にその都度描いたもので、鬼太郎やねずみ男、河童の三平や悪魔くんなど、おなじみのキャラクターが館内7ヶ所で見られる
また、一般を対象に館内の壁に直接メッセージを書いてもらうイベントを企画したところ、すぐにイラストや温かい言葉で埋め尽くされた。
このため急きょもう一面が追加された。
同館中庭の夜の闇で怪しく光る妖怪燈篭。
それだけではない。
この燈篭にも妖怪らしきものが隠れている。
べとべとさん。
雲外鏡。
知らんけど。
閉館時間近くになると妖怪の着ぐるみたちが玄関前に整列。入館者の帰りを見送った。
16時30分からは閉館セレモニーが実施され、伊達憲太郎境港市長や原口尚子水木プロダクション取締役があいさつ。
また、庄司行男同館アドバイザーがゲゲゲの鬼太郎のあいさつを代読した。
11体の着ぐるみたちが水木しげるさんのブロンズ像を囲んだ。
閉館時刻の17時、どこかへと妖怪の着ぐるみたちは消えていく。
これを以て現施設での営業を終了。
閉館セレモニーが終わっても同館前庭に名残を惜しむ人たちの姿が見られた。
そして誰もいなくなった。
夕闇迫る水木しげるロード。
赤く染まってゆく西の空。
あゝ、日が暮れる。
夕日はなにごともないように沈んでいった。
薄暮、誰そ彼時。
そして夜の帳が舞い降りた。
現施設は4月から解体される予定。
およそ1年間休館を経て令和6年4月に新記念館の開館が予定されている。
さようなら。またね…