山梨県の県庁所在地、甲府市に立地する唯一の百貨店「岡島百貨店」が移転のため明日閉店する。

 

 

岡島百貨店は1843(天保14)年、初代岡島定右衛門が甲府市柳町5番地(現中央2丁目13番4号)に茶業として大黒屋を創業。後に呉服店及び両替商としても営業を開始した。

 

 

1936(昭和11)年3月1日、株式会社岡島に改組し県内2番目の百貨店として営業を開始した。

 

 

バブル期の放漫経営とバブル経済崩壊後の競争激化による極度の売上不振により2002(平成14)年2月期決算で約25億円の赤字を計上。有利子負債は140億円にも上り22億円の債務超過に転落した。

 

 

これを受けてメインバンクの山梨中央銀行などが約54億円の債権放棄を実施。経営責任を取ってオーナー家の会長兼社長が退任、1971(昭和46)年から業務提携関係にある三越から千葉三越社長を営業本部長として迎え入れ、部課長4人を受け入れて再建に当たった。

 

 

しかし2008年2月期決算で再び約35億円の債務超過に転落。2009(平成21)年、山梨中央銀行は整理回収機構(RCC)を通じ、貸出金約70億のうち約50億の債権放棄で合意。甲府市も補助金や施設を店舗内に設置することを決定し、官民一体による支援を受けて経営再建を図っていた。

 

 

しかしながら建物や設備の老朽化が進み、大規模改修が必要となったことから、2月14日に現店舗での営業を終了。近隣の商業ビル「ココリ(KoKori)」に移転、地下1階から地上2階に入居し3月3日から営業を再開する。

 

 

なお、店舗面積は現在の7分の1、4,500㎡に縮小する。

 

 

現在の店舗および敷地は大手不動産会社タカラレーベン(東京都)に売却。建物を解体し地上28階建のマンション兼商業施設を建設、2028年夏開業予定。

 

メインバンクの山梨中央銀行。

 

 

岡島百貨店と隣接。

 

 

移転先「KoKori(ココリ)」の前身「PASEO(パセオ)」は2007(平成19)年7月25日閉店、同年解体。

 

 

2010年(平成22)年高層複合商業ビル「ココリ(KoKori)」竣工、同年10月22日グランドオープン。商業フロアは寄合百貨店の形式で入退店が頻繁。不気味なライトアップも相まって呪われた悪魔城と揶揄されることも・・・

 

◇店舗データー

〇2017年度

名称=岡島百貨店

所在地=山梨県甲府市丸の内

TEL=055-231-0500

営業時間=10時00分~19時00分、レストラン11時00分~18時00分

売場=B1~8F

売場面積=32,044平方メートル

年商=9,254百万円

売上順位=138/199(17年度百貨店店舗別売上ランキング)

ホームページ=岡島 山梨県甲府市の百貨店

※参考資料

〇2000年度

名称=岡島百貨店

売場面積=28,493平方メートル

年商=22,887百万円

売上順位=115/1000(00年度大型店舗ランキング)