『少女に何が起ったか』は、1985(昭和60)年1月8日―同年3月26日の毎週火曜日20:00―20:54に放送されていたTBS系列・大映テレビ制作の連続テレビドラマで、当時トップアイドルだった小泉今日子の初主演を務めた。

 

 

北海道稚内市抜海で母(市毛良枝)と暮らしていた野川雪(小泉今日子)は、母から「亡くなった父は有名なピアニストの東雪彦(風間杜夫)」と聞かされて育った。そして母の死の直後に訪れた謎の男から「父方の祖父は東音楽大学学長の東雪雄(松村達雄)」と聞かされる。使用人だった母との結婚を認めず、父を勘当したという祖父に「両親に謝罪し結婚を認める」「自分を東家の人間と認める」を要求すべく、東京の東家に乗り込み、東音楽大学へ特待生として入学。東家の人々や同学のお嬢様学生たちから様々な妨害を受けながらもピアニストとして成長していく物語。

 

劇中の会話から同学創設者で世界的ピアニストである雪雄の資産は推定60億円。ドラマの舞台のひとつである東邸の外観は背の高い樹木に囲まれた鉄筋コンクリート2階建ての大豪邸。

 

 

所在地は、最終回で東家の婿養子で学長代理の久之(長門裕之)が振り出した3億円の小切手に記載されていた住所「東京都世田谷区成城北5-17」。なお、「成城北」という地名は実在しない。

 

 

成城は、小田急小田原線成城学園前駅を中心とした国分寺崖線の河岸段丘上に広がる約68万坪(225.9ヘクタール)に及ぶ地域。邸宅や豪邸が建ち並ぶ本邦屈指の高級住宅地。明治末頃までは北多摩郡砧村大字喜多見と呼ばれ、武蔵野の雑木林と原野が広がっていた。旧制成城高等学校の校長だった小原國芳が小田急電鉄と交渉して成城学園前駅を招致。宅地開発を推進して学園拡大を図った。

 

40年近く前に制作されたドラマのため東邸の外観ロケ地は、現存していない可能性が高いかとも思ったが、近年放送されたドラマ『ルパンの娘』(2019|令和元年7月11日―9月26日毎週木曜22時00分―22時54分放送・フジテレビ系)や『レンアイ漫画家』(2021|令和3年4月8日―6月17日毎週木曜22時00分―22時54分放送・フジテレビ系)に登場していた。また、この他に多くのドラマにも登場している。

 

 

その建物は、世田谷区岡本に所在する「松本記念音楽迎賓館」。

 

 

同館は電機メーカー「パイオニア」の創業者で、私財を投じて公益財団法人音楽鑑賞教育振興会を設立し音楽教育全般の育成に力を注いだ、松本望・千代夫妻の住宅として1973(昭和48)年に建設されたもの。

 

 

夫妻の遺志を継いで音楽教育の実践の場にとして一般にも利用できる記念館として2001(平成13)年「松本記念音楽迎賓館」が開館した。

 

 

同館が所在する岡本は成城5丁目から南東におよそ3kmに位置する、国分寺崖線上、武蔵野台地に広がる閑静な住宅地。

 

 

当該物件は住宅と住宅の間。

 

 

初見、見落とし注意。

 

 

左右が緑に覆われた小径の奥。

 

 

おお!!東家!!
 

 

門扉。

 

 

門柱と表札。

 

 

植栽。

 

 

建物の外観。

 

 

すべてがドラマ放映時と変わっていない。

 

 

◆ロケ地概要

名称:松本記念音楽迎賓館

所在地:東京都世田谷区岡本二丁目32-15

電話:03-3709-5951(午前10時~午後5時※年末年始を除く)

FAX:03-3707-3751

利用可能時間:10時00分~21時00分および早朝深夜 ※要予約

アクセス:

ホームページ:松本記念音楽迎賓館