鳥取屈指の紅葉の名所清徳寺から5km10分余り、右に進むと行き止まりの看板。
意を決して入ってみると、人気のない家々が建ち並ぶ。
崩れかかった廃屋。
草木に覆われた建屋などが点在。
時計の針が止まったかのような錯覚に陥る異界感。
ここは山あいの限界集落のようにも見えるが、限界を超えた廃集落「柿原」。
後醍醐天皇の行幸や不動院投入堂などにまつわる伝説が残り、かつて林業が営まれていたことが偲ばれる杉林に囲まれている。
戦前までは30軒以上の世帯があり、農林業や養蚕、和紙原料の栽培などで栄えていたという。
集落の奥へ奥へ、その奥へ・・・
傾斜地に石垣が築かれ、その上に建てられた豪奢な邸宅。
安心のALSOK、綜合警備保障が護る。
人手が入っているのだろうか?極端な荒廃は見られない。
集落内に季節分校などが置かれ、隣村からも子どもが通い大いににぎわったという。
ところが、戦後の混乱期におよそ半数が離村して急激な人口減少に見舞われ、昭和30年代には十数軒にまで落ち込み、1960(昭和35)年に季節分校は閉校となった。
やがて昭和から平成へと時代は移り、産業構造の変化によって後継世代は市街地へと流出。集落の衰退に歯止めがかかることなく、2006(平成18)年に最後の世帯が離村して廃村となった。
樹木が茂る真ん中にお堂のようなものがぽつんと一軒家。
祠に五輪塔に位牌。
墓所。
道の脇に石碑、そしてお堂?
はい、お堂。
石碑の並びに地蔵尊。
そして、石碑。
集落の奥の奥の奥まで進むと清流。
自動車の轍があったり、人が住んでいる気配がする住宅があったり、一旦は廃集落になったが、再び人が集まってきている形跡はあちこちにみられる。
なぜこんなところに蒜山に出没する妖怪スイトン!?
悪さをすると引き裂かれて喰われるゾー!!
なお、2018(平成30)年より自然散策や農作業体験などを楽しめる新しい村に再生しようと取り組まれている。
◇概要
名称:柿原集落
所在地:鳥取県八頭郡八頭町柿原
駐車場:無
●アクセス
自動車:鳥取自動車道河原ICより鳥取県道324号河原インター線・国道.29号・鳥取県道175号八東停車場線・鳥取県道153号才代船岡線・岡山県道・鳥取県道6号津山智頭八東線経由約17km20分
鉄道:若桜鉄道八東駅下車約4km徒歩55分|自動車7分