太平洋戦争の只中、1943(昭和18)年9月10日夕方に鳥取市を震源地とするマグニチュード7.2の大地震「鳥取地震」が発生。

 

鳥取市で震度6、岡山市北区と山口県萩市で震度5を記録。また、大阪市中央区・兵庫県神戸市中央区・京都市中京区・滋賀県彦根市・和歌山市・三重県津市・福井市・香川県高松市・徳島市・高知市など広範囲にわたって震度4を記録。

 

鳥取県内の被害状況は全壊家屋7,485戸、半壊家屋6,158戸に上り、鳥取市中心部では木造家屋のほぼすべてが倒壊。死者1,083名、重軽傷者3,259名を数えた。

 

この地震は鳥取市鹿野町から吉岡温泉町を経て、鳥取市滝山にかけて東西約26kmに延びる活断層「鹿野-吉岡断層」のズレによるもの。

 

鳥取市鹿野町末用でそのズレの痕跡を見ることができる。

 

 

鳥取県道32号郡家鹿野気高線沿いのこじんまりとした集落にあるが、県道にはそれを示す表示などはない。

 

 

県道から集落に入ってすぐの丁字路正面がそれ。

 

 

民家の軒先。

 

 

覗いてみたら曲がっている。

 

 

少し離れてみると水路がクランク状になっていることが確認できる。

 

 

これは人為的なものではない。

 

 

この水路が断層上にあったための食い違い。

 

 

道路に沿ってまっすぐ進むと水路に転落するため、柵が設けられている。

 

 

柵に掲げられている説明看板に詳細を確認しよう。

 

 

東に1.5mズレ、下に0.5m沈下。

 

 

あー(得心)。

 

 

逆から。

 

 

近くで見るとわかりにくいので、少し離れてみよう。

 

 

おわかりいただけただろうか?

 

 

看板がなければ見過ごすレヴェルだが、自然の御しがたい力を感じることができるスポット。

 

なお、鹿野断層のズレを明確に確認できる県内唯一の場所として、平成16年11月9日鳥取県天然記念物に指定された。

 

◇概要

名称:県指定天然記念物「鹿野地震断層の痕跡」

所在地:鳥取県鳥取市鹿野町末用

駐車場:無

●アクセス

自動車:山陰自動車道浜村鹿野温泉ICより鳥取県道32号郡家鹿野気高線経由約6km15分

鉄道・バス:JR西日本山陰本線浜村駅下車日ノ丸バス白兎海岸線鹿野営業所行乗車20分鹿野営業所下車約1.3km徒歩15分