およそひと月前の8月31日、鳥取駅前に店を構える鳥取大丸が72年の歴史に幕を下ろした。

 

 

1937年に丸由(まるゆ)百貨店として開業、1949年に大丸(現大丸松坂屋百貨店)との資本提携により店名を「鳥取大丸」に改称。1998年2月期のピーク時には138億円を売り上げたが、地域経済の停滞による消費マインドの低下に加え、郊外型ショッピングセンター進出やインターネット通信販売などとの競争環境激化のため売上不振が続き、2018年2月期の売上高は54億9千万円にまで減少し7,900万円の最終赤字に転落。2018年に新会社へ事業譲渡し、大丸との資本提携を解消。新会社との間で商号商標等ライセンス契約、商品調達及び取引先誘致等の業務を受託する業務委託契約を締結。

 

鳥取大丸の閉店はこの商号商標等ライセンス契約が、今年8月末で終了することによる措置。

 

 

なお、9月1日より「丸由(まるゆう)百貨店」と改称して営業を継続。また、大丸松坂屋百貨店との商品調達などに関する業務提携も継続される。

 

営業最終日の19時前、店内に閉店時刻を告げる別れのワルツが流れはじめ、店員一同通路に整列して立礼でお客を見送った。

 

 

19時5分過ぎに最後のお客のお見送りを終えると社長、店長以下約60名の従業員がそろって閉店セレモニーが行われた。

 

 

岡周一社長は「最終日の最後まで多くのお客様にご来店、閉店を見届けていただきありがとうございます」と感謝を述べた。そして「鳥取のみなさまと共に従業員一同新しい百貨店目指してまいります」と新たな決意を述べた。

 

 

19時15分シャッターが下り始めると多くの拍手に包まれた。

 

 

72年間灯され続けた鳥取大丸の灯りは静かに尽きていった。

 

 

閉店を見届けようと鳥取大丸前に集まった市民は200名超。

 

 

シャッターが閉じた後も名残を惜しんでいた。


 

なお、9月3日(土)午前10時に丸由百貨店として新たに開業する。