摩尼山山頂付近に鎮座する巨石「立岩」。

 

 

横から見るとカラス天狗に見えなくもない。

 

 

あんたこの下に身体が埋まっているとしたらとてつもなく巨大ですよ。

 

 

2018年4月4日放送のフジテレビ「世界の何だコレ!?ミステリー 春の謎解き大調査SP」で謎の巨石建造物だと紹介された物件。 

 

捏造とまではいわないが、事実とは大幅に異なるテレビが得意とする過剰な演出の典型であった。

 

ここへ至るには門前の石段の右から反時計回りに進むルートと摩尼寺の法界場から時計回りに進むルートの2ルート。

 

左周り(反時計回り)の古登拝道は判り難いうえ、急傾斜をよじ登る羽目になるため多大な苦難を伴う。上記の番組内では、立岩に至るまで2時間ということだったが、迷うことがなければ実際にはおよそ1時間で到着する。

 

右周り(時計回り)は門前から急傾斜の石段を300段あまり登った境内の奥から登拝道に入るため、標高が高い場所からのスタートとなり、体力的にも負担が軽く到達時間はおよそ45分。こちらのルート推奨。

 

以下、参考踏破ルート。

 

如来堂向かって右より法界場。

 

 

法界場より古拝道を登る。

 

 

少々足場は悪いが3分で六角堂。

 

 

そこから3分で登山路眺望台。

 

ここで小休止。

 

 

青い海は「日本海」、茶色いのは「鳥取砂丘」。

 

 

鳥取砂丘至近の日本海に浮かぶ「海士島(あもうじま)」。

 

 

鳥取砂丘から見える形がクジラに似ているため「クジラ島」や「クジラ岩」の別名でも呼ばれる。

 

 

視線を左に振ると見える茶色い大きな建物は、2018年12月16日に完成した「鳥取県立中央病院」。

 

 

米子ユニバーサルホテルの高さ55mに対抗して、建設時に50cm嵩増し。結果55.5mとなり鳥取県で一番高い建物の栄冠を奪取した。

 

その右手、千代川の向こうに見えるのが「イオンモール鳥取北」。

 

 

さらに向こうに見えるのは日本最大の池「湖山池」。

 

 

湖山池に浮かぶお椀をひっくり返したように見える島は「津生島(つぶしま)」。

 

眺望台から3分で西国三十三観音像③。

 

 

熊と猪に注意!!

 

 

これより500mほどの旧登拝道は急峻で若干厳しい。

 

 

石がゴロゴロ。

 

 

木の根がウネウネ。

 

 

道標はないが、踏み跡が明瞭。

 

 

そして石がゴロゴロ。

 

 

10分ほどで西国三十三観音像②。

 

 

これより左手に行けば山頂のはずだが、登山道が不明瞭。

 

観音像の視線の先を右手に曲がる旧登拝道を行く。

 

 

昨冬の雪害で樹々が倒壊、足元注意。

 

 

及び頭上も注意。

 

 

踏み跡は若干不明瞭だが一本道。

 

 

7~8分で岩がゴロゴロ。

 

 

眺望絶佳。

 

 

標高およそ300m、随分と高い場所まで来てしまったことが実感できる。

 

ここをピークに旧登拝道は下りオンリー。

 

 

およそ2分、再び鳥取砂丘が見えたら開けた場所に出る。

 

 

由来書き看板。

 

 

鷲が峰の立岩と賽の河原

 摩尼山・摩尼寺の摩尼(マニ)という言葉は、古代インドのサンスクリット語に由来し、「宝石」または「宝珠」を意味します。宝石・宝珠は秩序、慈悲、思いやりなど悟りに至るための吉祥の要素です。寺の縁起によると、須弥山頂の喜見城に住む帝釈天が摩尼宝珠をもって鷲が峰(しゅうがみね)の立岩(たていわ)に降臨したと伝承されています。摩尼山の山号「喜見山(きけんざん)」は帝釈天の住む「喜見城(きけんじょう)」に因むものであり、また、山頂下の八葉の蓮弁の一つとイメージされる「鷲が峰」の名は、ブッダが弟子たちに説法したインドの霊鷲山(れいしゅうざん)(鷲峰山)に由来します。そして、立岩正面の平場は「賽の河原」とも呼ばれています。摩尼山=喜見山は仏教の世界観を表現する場所えあることが分るでしょう。

 摩尼山にとって最も重要な信仰対象は、本尊「帝釈天」が降臨した鷲が峰の立岩です。高4丈(約12m)におよぶ立岩の上部には鎖の一部が残っており、行場として使われた時期もあったようです。こうした信仰対象としてだけでなく、因幡の景観を一望に俯瞰できる眺望地点としても重要です。かつては伯耆大山を遠望することも可能だったようですが、近年はPM2.5の影響でそこまで視界は鮮明ではありません。しかし、日本海・湖山池・砂丘をパノラマとして堪能できる数少ない地点であり、知る人ぞ知るビュースポットになつています。

 

以上、由来書き看板全文転載。

 

由来書き看板から少し踏み込むと、おおっ!!

 

 

想像以上にデカい!!

 

 

これが鷲が峰の立岩。

 

 

 立岩の正面側に平場が形成されています。その平場と立岩のあいだには地蔵堂と鐘楼が建っていました。明治後期撮影の古写真や明治45年(1912)の「因幡国喜見山摩尼寺略記」をみると、地蔵堂のと平屋の鐘楼を確認できます。これらは昭和18年(1943)の鳥取大震災で被災しましたが、昭和40年(1975)ころまで立岩の脇に姿をとどめていたようです。現在、地蔵堂の基壇と鐘楼の礎石・建築部材が当初の位置に残っています。

 ここにいう「賽の河原」とは、幼くして死んでしまった子どもたちが父母の供養のため石を積んで塔をつくる三途の河原です。鬼がそれを壊しにやってくるのですが、地蔵菩薩に救われて子どもはまた石を積む。賽の河原に沿って地蔵堂を配するゆえんです。賽の河原とは天国にも地獄にも行けない子どもたちがいる辺土ですが、そこにしばしば賽の神を祀ります。賽の河原の賽は「賽の神」の賽であり、この世とあの世の境を意味しています。民間信仰の側からみれば、そこは道祖神の祭場であり、鷲が峰でも西側の丘の上に大きな木彫の陽物(塞の神=道祖神)を祀っています。

 

以上、由来書き看板全文転載。

 

立岩の前の平場にかつて地蔵堂と鐘楼があり、その前が賽の河原と呼ばれていた。

 

 

立岩の前に立ち並んでいるのは地蔵尊ではなく、西国三十三観音像①。

 


 

立岩の左に石段。

 

 

登ってみた。

 

 

誰かおる。

 

 

立岩の上にもなんかおる!!

 

首が、ない!!

 

この立岩に帝釈天が降臨したという説とは別にこれより60mほど下った場所に位置する奥ノ院の巨岩だという説がある。

 

 

知らんけど。

 

立岩の裏は崖。

 

 

落ちた場合、良くて大怪我、悪くすれば死。あんた死ですよ。

 

立岩の前のベンチに腰掛けての昼食。

 

 

鳥取駅の売店で買ってきたアベ鳥取堂のカニめし。

 

 

なお入山に際しては、熊鈴、飲料水、若干の食糧要携帯。また、マダニやスズメバチ、ヘビなどの危険生物遭遇注意。

 

なお、店主は4月上旬に週2回登山した際、両日とも1m超えの長大なアオダイショウに至近距離で遭遇した。

 

土日は登山者が多いが、平日はほぼ皆無。出来得る限り単独での入山は避けよう。

 

立岩の右側から下山。

 

 

この先、本日最難関。危険が危ない。

 

 

雨上がりおよび雪解け時など転倒、滑落注意。晴天時も足下に細心の注意を払って下ろう。

 

◆概要

名称:鷲ヶ峰の立岩

鎮座地:鳥取県鳥取市覚寺

宗派:天台宗

山号:喜見山

院号:安楽律法流

御本尊:千手観世音菩薩、帝釈天

創建:承和年間(834年頃)

開基:慈覚大師

駐車場:摩尼寺参道入口駐車可

●アクセス

鉄道:JR西日本山陰本線鳥取駅下車・日交バス北園行20分摩尼寺口下車2.3km徒歩30分で摩尼寺石段前着、これより徒歩45分
自動車:鳥取自動車道鳥取西ICから約9.5km20分で摩尼寺石段前着、これより徒歩45分