鬱蒼と繁る枝葉で昼なお暗い樹下でそれを囲む無数の五輪塔。

 

 

ぷ――――んと漂う異界感。

 

 

見上げると樹高およそ30m、枝張り四方20m、推定樹齢一千年。

 

 

鳥取県道34号倉吉赤碕中山線から50mほど入った丘陵地に立つ「大日寺の大イチョウ」。

 

 

登り口の目印は、倉吉市が設置した駒札と倉吉市教育委員会が設置した案内看板。

 

 

ここから50mほど入った場所だが、分け入るには心理的負担が大きい。

 

 

倉吉市保存木

大日寺の大イチョウ

指定番号 51

指定年月日 昭和62年1月1日

樹高 30m

幹の周囲 11.2m

樹齢 1000年

説明

 いちょう科の落葉高木。雌雄異株で4月頃、開花する。

永延2年(998年)恵心僧都の巡錫記念として植えられたと伝えられている。この大イチョウは雌木で、秋にはギンナンが実る。主幹は、多数の気根が垂れ下がって地中に入る。大小18本の「ひこばえ」が生長し、人束となつて直立しており、これを囲むように多数の石塔(五輪)が並び、中には鎌倉時代まで逆上るものがある。昭和31年月6日、鳥取県天然記念物に指定されている。

倉吉市

緑をみんなで大切にしましょう

 

以上、駒札全文転生。

 

 

県指定史跡

大日寺古墓群

指定年月日昭和五十八年四月二十六日

大日寺古墓群は、五輪塔に置かれている場所から円地坊、壱ノ瀬、山ヶ市の三つの古墓群に分かれ、ここ円地坊には、小型の五輪塔百三十基余りと宝篋印塔数基があり、多くは、後世に寄せ集められたものと伝えられるが、中には一石五輪塔も数基みられる。この古墓群の時期は三つの古墓群とも鎌倉時代から室町時代に至るものが主である。五輪塔の形態は、火輪の軒幅が水輪幅に近く、他の地域の五輪塔と比べると独特なものとなっており、「大日寺式」と呼ばれている。この「大日寺式」の五輪塔は東伯耆地域を中心に岡山県美作地方の一部にも広がるが、この古墓群のように群れをなす例は他にはみられず、中世の墓制を知る上でも貴重な資料である。

 

県指定天然記念物

大日寺の大イチョウ

指定年月日 昭和三十一年三月六日

 

古墓群に囲まれるように立っている大日寺の大イチョウが雌木のイチョウである。樹高約三十メートル、枝張りが東西約二十三メートル、南北約二十メートルに達し、堂々たる姿が遠くからも人の目を引く。本幹の一部が枯損しているが、樹勢への影響はみられない。イチョウは大木になるとヒコバエを伴うことが普通であるがこの大イチョウもその例に漏れず、根元にはヒコバエが二十数本程度みられる。大日寺の大イチョウは、巨木としても県下有数のものであり、古墓群とともに歴史的な景観を形成している。

平成十九年三月 鳥取県教育委員会

 

以上、案内看板全文転載。

 

 

 

樹の周辺は下草が茂り足元が不案内。

 

 

今年に入って行く先々で長大な蛇に遭遇。時期が時期だけに細心の注意を払って近づく。

 

 

樹の前に石碑と花立。

 

 

地の縁に五輪塔に挟まれた立て看板。

 

 

下草に覆われていて分かりにくいが、大イチョウから二列に整列して伸びる五輪塔。

 

 

その先は極楽峰へと続く参道。

 

 

極楽の峰へは高々400mの距離だが、大雪の被害で道は荒れ放題。

 

 

数多の倒木が行く手を阻む。

 

 

それ以外にもクマやイノシシ、スズメバチなどにも要注意。

 

 

雪が降る直前ぐらいに行ってみよう。

 

大イチョウの周辺に夥しい数の苔むした五輪塔。

 

 

長い長い時の流れを感じる。

 

 

主幹の一部は枯れ、それを囲むようにヒコバエが天を貫く。

 

 

木の真ん中に石の祠?

 

 

この中にLEVEL1の迷宮や賭場があっても不思議ではない雰囲気を醸し出している。

 

 

これってRPGの世界だよね~

 

 

今度訪れるのは晩秋。

 

◆概要

名称:大日寺の大イチョウ

所在地:鳥取県倉吉市桜

開場時間:24時間

休業日:無休

ホームページ:

駐車場:県道沿いに駐車可

●アクセス

鉄道・バス:JR西日本山陰本線倉吉駅下車日交バス高城線大立行桜経由乗車30分桜バス停下車徒歩15分

自動車:倉吉道路西倉吉ICから鳥取県道34号倉吉赤碕中山線経由10km20分