梅雨の合間に見えた青空に向かって怪しく大輪の花を咲かせる黒いヒマワリ。
こっちにも。
そっちにも。
あっちにも。
その様子は、実にミステリアス。
長閑な田園風景が広がる倉敷市真備町岡田は、推理文壇の大御所横溝正史とその一家が、太平洋戦争末期、東京での戦禍を避けて疎開生活を送った場所。
田んぼの中の四つ角に建つ小さな祠にお祀りされている「濃茶のばあさん」。
正史は地元に伝わるその話をヒントに『八つ墓村』に濃茶の尼を登場させたという。
祠から北に進んだ突き当りが疎開宅。
正史一家が疎開していた住宅は真備町が買い取り、昭和二十年代の様子を再現したうえで「横溝正史疎開宅」として一般公開されている。
黒いヒマワリが咲く金田一畑は疎開宅前。
高さ1~1.8mに成長したその数100本あまり。
6月上旬に開花し始め、3週間ほどでほぼ満開を迎える。
毎年、地元紙がその様子を報じることから、多くの人たちが詰めかける。
住民が全国から訪れるファンをもてなそうと季節ごとの花を植えている金田一畑で四方に向かって咲く黒いヒマワリ。
元々真っ黒だった花が、近年では黄色も雑じりはじめてきたという。
その謎を解き明かすのはキミだ!?
花の見ごろは6月いっぱいだという。
また、来年。
アデュ―。
◆施設概要
名称:横溝正史疎開宅
所在地:岡山県倉敷市真備町岡田1546
TEL:086-698-8558
開館時間:午前10時00分~午後4時00分
定休日:毎週月・木・金曜、年末年始(12月29日~1月3日)
入館料:無料
駐車場:2~4台
※金田一畑は365日見学可。ただし園内は立入禁止