新宿駅西口に並立して聳えるニ棟の百貨店ビル。

 

 

左(北)が小田急、右(南)が京王。

 

 

昨年8月9日、小田急電鉄と東京メトロが、小田急百貨店本館などを解体撤去した跡地に商業・オフィス一体型ビルを建設することを発表。新ビルの規模は、鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート造で地上48階地下5階建、高さ260m。延べ28万1,700平米の見込み。着工は2022年度内、完成は29年度内を予定。

 

 

計画地は、西側が西口駅前広場、東側がJR新宿駅に挟まれた敷地で、南側は甲州街道に面する新宿区西新宿1-1の一部、敷地面積約15,720平米。

 

なお、計画地内に小田急線及び東京メトロ丸ノ内線・新宿駅が含まれているが、駅機能はそのまま維持される。

 

小田急百貨店新宿店の再開発に東京メトロが絡む謎・・・。

 

 

その理由はパっと見一棟に見える小田急百貨店新宿店本館が、東京メトロの子会社・地下鉄ビルディングが所有する新宿地下鉄ビルと小田急電鉄が所有する小田急新宿駅ビルの二棟のビルを繋ぎ合わせているから。

 

 

その分け目はココ。

 

 

小田急百貨店は1962(昭和三七)年11月3日、現在のハルクの建物で開業。

 

 

帝都高速度交通営団(現 東京メトロ)の全額出資会社・株式会社地下鉄ビルディングが建設していた新宿地下鉄ビルディングが1966(昭和四一)年8月25日完成。地上8階・地下3階建、鉄道会館設計事務所設計。同年9月9日、当ビルに小田急百貨店新館が開店。

 

 

翌67(昭和四二)年11月21日、新宿西口駅ビル(現 小田急新宿駅ビル)が完成。地上14階・地下2階建、坂倉準三建築研究所設計。

 

 

ビル建設に当たり、二棟のビルの1階から8階までの各階のフロアは全面的に接続。正面ファサードは小田急側のビル設計者・坂倉準三によるデザインで統一、外見上も一棟の建物に見えるように設計。

 

 

同月23日新宿西口駅ビルと新宿地下鉄ビルディングを一体化した上で、新たに小田急百貨店本館として新宿店全館で営業開始。

 

 

地下1階はメトロ食堂街、小田急線の地下改札口およびコンコースとなっていて百貨店としての売場は無い。地下2階の北側の新宿西口駅ビル部分はメトロ食堂街や丸ノ内線新宿駅の改札口となっていて、百貨店としての売場は南側の新宿西口駅ビル部分に限られる。なお、メトロ食堂街は再開発に先行して、2020(令和二)年9月30日を以て閉館したが、一部店舗の営業は継続している。

 

旧本館は同月27日、別館小田急HALC(Happy Living Center)として家具等のリビング用品の専門館に改装。「小田急といえば家具」のイメージはこれに由来する。

 

 

建物は当初、東京建物が所有し小田急百貨店が賃借していたが、2000(平成一二)年にビルを小田急電鉄が買収。2002年(平成14年)にはテナントとしてビックカメラを導入。百貨店の売場を順次縮小し、直営売場は一部に留まる。

 

◇店舗データー

〇2017年度

名称=小田急百貨店新宿店

所在地=東京都新宿区西新宿1-1-3

TEL=03-3342-1111

営業時間=平日10時00分~20時00分※5階以上の売場は19時00分閉店、土日全館午前10時00分~19時00分、12~14階レストラン街11時00分~20時00分※新型コロナウイルス感染拡大および収束の影響により休業日や営業時間などが変更となる場合有

売場=B2・1F~9F・RF~14F

売場面積=50,954平方メートル

年商=94,346百万円

売上順位=13/180(17年度百貨店店舗別売上ランキング)

ホームページ=小田急百貨店新宿店

※参考資料

〇2000年度

名称=小田急百貨店新宿店

売場面積=57,316平方メートル

年商=124,932百万円

売上順位=12/1000(00年度大型店舗ランキング)

 

◆参考資料

『流通・サービスの最新常識2019 日経MJトレンド情報源』 日経MJ(流通新聞)編 日本経済新聞出版社発行

『流通経済の手引き2002年版』日経流通新聞)編 日本経済新聞出版社発行

ニュースリリース|小田急電鉄 新宿駅新宿駅西口地区の開発計画について